「勇者」それは最悪の罪人である証 『勇者刑に処す』を紹介させていただきます。

ラノベ紹介
リュウ
リュウ

皆さんこんにちは、リュウです。
今回は電撃の新文芸様より『勇者刑に処す』について書かせていただきます。

『勇者刑に処す』ってどんな作品?

『勇者刑に処す』は著「ロケット商会」、イラスト「めふぃすと」で贈られる、ダークファンタジー作品です。
著者のロケット商会先生は他にも、KDOKAWAの新文芸より『元英雄、HP1の妹を伝説の勇者にする』や、ガガガ文庫より『魔王都市』などの作品も出されています。
※以下書影をタップすればBookwalkerさんのページに飛ぶことができます。

魔王都市』について詳しく紹介している記事はこちら

イラストレーターのめふぃすと先生は他にも雫綺一生しずきひとみ名義で、オーバーラップ文庫より発売されている『外れスキル【地図化(マッピング)】を手にした少年は最強パーティーとダンジョンに挑む 』や、ガガガ文庫より発売されている『プロペラオペラ』などの作品のイラストも担当されています。

用語解説

勇者刑

永遠に前線で魔王現象と戦わされる死刑よりも重い刑罰。
死ぬことも許されず、たとえ死んだとしても蘇生させられてまた前線へ放り込まれる。
ただ蘇生される際には記憶や人間性などを少しずつ失っていくため、何度も何度も蘇生させられた《勇者》はやがて自我や思考力が消える。

懲罰勇者9004部隊

勇者刑に処された《勇者》8人で構成されている部隊。
その構成から貴族や兵士たちから侮蔑の対象とされており、常に無茶な命令を下されている。

魔王現象

核となっている魔王、そして魔王に従う大量の異形フェアリーで構成されている軍勢。
魔王にはそれぞれの個体差や能力があり、魔王現象の規模も様々。
魔王現象によって人類は生息域の半分を失った。

女神

太古に生み出された、世界でたった10余りしか存在しない超兵器。
魔王と同じくそれぞれの能力や個体差があるが、唯一共通しているのは「戦いに関するプライドの高さ」と「承認欲求の強さ」
よって女神は自らの身を犠牲にしてでも人々を助けるために戦おうとするし、戦いに勝った後は「褒め」と「撫で」を要求する。
たった1人の騎士と死ぬまで続く契約を結ぶことで、女神は本来の力を発揮することができるようになる。

聖印

人や物体に刻み付け、太陽の光を動力源に、人間の意思と生命力を火種にして起動する紋様。
その効果は様々で、熱を発したり、稲妻を放ったり、大地を砕いたりすることができる。

メインキャラを4文でサクッと紹介

ザイロ・フォルバーツ

本作の主人公で、懲罰勇者9004隊のリーダ-。
元聖騎士団長ながら世界で唯一の「女神殺し」という大罪を犯し、勇者刑に処された。
物体に聖印の力を流し込んで強力な爆弾に変える『ザッテ・フィンデ』と、跳躍力を極限まで高める『サカラ』という2つの聖印を用いて戦う。
その犯した罪から極悪非道で最悪の勇者と思われているが、実際は勇者の中でもかなりまともで、魔王との戦闘の際には市民に犠牲が出ないような作戦を積極的に採用している。

テオリッタ

本作のメインヒロインで、《剣の女神》
棺桶に入っていたところをドッタに盗まれ、それを機にザイロと出会い、彼と契約を交わした。
能力は「無数の剣の召喚」で、体力が尽きぬ限りあらゆる時代のあらゆる剣を召喚することができる。
ザイロに褒められるためならば自己犠牲も厭わない、まさしく「女神」らしい「女神」

ドッタ・ルズラス

懲罰勇者9004隊のメンバーの1人で、王家の財産であるドラゴンを盗んで勇者刑に処された。
その視力の良さと身軽さから、部隊では主に偵察係を務めている。
本人も無意識のうちに盗みをするほど手癖が悪く、それでいて天才的な盗みと逃走の技術を持っているため、投獄されるまでに千を超える盗みを働いた。
性格はかなりの臆病で、ザイロを含む「暴力担当の勇者」たちによくこき使われている。

ベネティム・レオプール

懲罰勇者9004隊のメンバ-の1人で、とある雑誌にとある記事を書いたことで勇者刑に処された。
異常なほどに口が達者で、人を騙して自らの要求を通すことに関しては右に出る者はいないため、部隊では交渉役の指揮官を務めている。
投獄される前は詐欺師として活動しており、王族を騙して口先だけで王宮をサーカス団に売り飛ばしかけたことも。
流れるように噓を吐くが戦闘能力は皆無なため、ドッタと同じく「暴力担当の勇者」たちによくこき使われている。

ノルガユ・センリッジ

懲罰勇者9004隊のメンバーの1人で、通称「陛下」
自らをこの連合王国の国王だと思い込んでおり、本物の国王相手に大規模なテロ行為を起こし勇者刑に処された。
聖印調律のスペシャリストで、彼が調律するだけで聖印の威力が膨れ上がるため、上記のテロでは大多数の死傷者が出ることになった。
性格は王のように尊大だがその分指揮能力が異様に高く、何より自らの民の命を優先するため決して暴君というわけではない。(まあ実際は別に王でもないのだが)

タツヤ

懲罰勇者9004隊のメンバーの1人で、生き返りすぎたせいで自我や思考力が消えた狂戦士バーサーカー
誰よりも長く勇者部隊に所属しており、誰も彼の罪状を知らない。
命令に忠実で無駄口は叩かず、敵を倒すまで決して倒れないことから、ザイロに「最高の歩兵」という評価をもらっている。
地上戦に関しては最強クラスで、ライノーからも「彼が人類の味方で本当に良かった」と言われているほど。

ツァーヴ

懲罰勇者9004隊のメンバーの1人で、とある暗殺教団に育てられた暗殺成功率ゼロパ-セントの殺人鬼。
倫理観がぶっ飛んでおり、必ず標的以外を殺すため教団からも追放され、勇者刑に処された。
接近戦もできるが何より狙撃の腕が高く、ノルガユの調律した聖印を埋め込んだ雷杖『ヒナギク』で超長距離狙撃を可能とする最強の狙撃手。
実力は確かだが陽気で常に喋り続けるほどおしゃべりな性格のため、他の勇者たちからは鬱陶しがられている。

ジェイス・パーチラクト

懲罰勇者9004隊のメンバーの1人で、相棒のニーリィと共に空を翔ける竜騎士。
ドラゴンを愛し、ドラゴンに愛される体質で、人間の命よりもドラゴンや馬の命の方を優先する。
ドラゴンの健康を促進する「麻薬」を密売、そしてドラゴンの開放を求めて「反乱」を起こし、勇者刑に処された。
誰に対しても不遜な態度を取るが、王家のドラゴンを逃がして自らの腕を食わせた(実際は油断して食われた)ドッタのことだけは「さん」付けで呼ぶ。

ライノー

懲罰勇者9004隊のメンバーの1人で、圧倒的な防御力と破壊力を誇る砲兵。
自ら望んで「勇者」になった志願勇者のため、罪状は無し。
砲身の角度、標的との距離、風の向き、全てを瞬時に計算して砲撃を放てる超凄腕だが、その過去は謎に包まれている。
口では「世のため人のために戦おう!」とは言うものの、どこか思考と行動に倫理観が欠けている本物の「ヤバいやつ」

パトーシェ・キヴィア

第十三聖騎士団の団長で、鋭い目つきをした女性。
聖騎士団の団長というだけあって指揮能力が高く、それでいて本人の戦闘能力も「勇者」に匹敵するほどに高い。
優秀な馬と聖印付きの槍を所持しており、機動力の高い「騎兵」として戦場を駆け回ることを得意としている。
何でもできそうなタイプに見えるが、実は超不器用。

あらすじ

死んでも蘇生され、永遠に魔王と戦い続けさせられる死刑よりも重い刑罰、それが「勇者刑」
千を超える盗みを働いたコソ泥、口先だけで王城を売りかけた詐欺師、自らを国王だと信じて疑わないテロリストなど、「勇者」にされる者は皆何かの才能に突出している。
そんな「勇者」たちで構成された部隊「懲罰勇者9004隊」のリーダーであり、《女神殺し》のザイロはとある戦の最中、未起動の13体目の女神に出会う。
「あなたは我が騎士らしく、己が偉大なる存在であることを証明すると誓えますか?」
「誓う」
《女神殺し》と《剣の女神》の、死ぬまで切れない永遠の契約。
この世に蔓延る魔を滅ぼすため、極悪最強たちの戦いが今始まる――。

感想

電撃の新文芸様の「『勇者刑に処す』サイン本プレゼントキャンペーン」に当選したので読みました!
めっちゃくちゃ面白かったので大満足です!

まずはストーリーの感想から。
本作は懲罰勇者9004隊と魔王現象との戦いを描いたダークファンタジーなのですが、とにっかくこの魔王現象とのバトルシーンがカッコいいんですよね。
地上・空中・近距離・遠距離とオールラウンドに戦えるザイロ、主に剣を投擲して戦うザイロの相棒として完璧すぎる《剣の女神》テオリッタ、偵察・斥候として超優秀なドッタ、盤外での交渉にとって最強なベネティムなどなど、勇者部隊の面々は全員専門が違うので「活躍の舞台を他キャラに奪われる」っていうことが一切ないのが本当に良かったです。
なのでもちろん1巻から迫力満点なんですけど、ジェイスとライノーが本格的に参戦する2巻からは戦術の幅が一気に広がったので読んでいて超楽しかったです。
ですのでこれから『勇者刑に処す』を読む方は、是非とも1巻だけでなく2巻まで一気に読んでみてほしいですね!
あと、この作品において人間側っていうのは圧倒的に不利な状況に立たされていて、そもそも魔王現象に正面から立ち向かえるのが《女神》と《勇者》くらいしかいないんですよね。
しかも人間側には魔王側に屈して自分たちの安全だけ確保しようとする勢力も台頭する始末ですし。
それでも、そんな状況でも、テオリッタの「私を褒め称え、頭を撫でるのです!」といった可愛らしい様子や、頭のおかしい《勇者》たちの倫理観ゼロな会話がコミカルに描かれていて、作品全体の雰囲気としてはダークさもありつつ明るいところもあるという丁度いいものになっていました。
僕はまだ1,2巻までしか読めてませんがすっかりハマってしまったので、続く3巻もすぐに読みたいと思います!

次にキャラの感想。
これがこの作品の1番の魅力ですね。
「イかれたメンバーを紹介するぜ!」って感じで全キャラ最っ高にカッコいいんですよ!
メインキャラは2巻時点で10人とかなり多めなのですが、先ほどもチラっと書いたようにどのキャラも唯一無二の個性を持っていて、誰も埋もれてないのが本当にすごいです。
僕の読了本の中でここまで大勢のキャラを同時に立たせている作品はもしかしたら初めてかもしれません。
キャラ同士の掛け合いもかなり面白く、読者にテンポよく読ませる要因の一つになってるのも素晴らしすぎますね。
ちなみに僕の推しは竜騎士のジェイスです!
異種族と心を通わせ合っているキャラって本当に良いですよね……!

最後に読みやすさ。
ガチガチのファンタジーということで用語の多さが少しネックでしたけど、他は全然気になりませんでしたね。
戦闘描写はとても上手く、場面が想像しやすいのでバトルファンタジーが好きならスラスラ読めると思います!

総合評価

スト―リー
★★★★★★★★★
9/10
キャラ
★★★★★★★★★★
10/10
読みやすさ
★★★★★★★★
8/10

こんな人におすすめ!

ダークファンタジーが好きな人
個性的なキャラが多く登場する作品が好きな人
熱いバトルが描かれる作品が好きな人

リュウ
リュウ

今回は電撃の新文芸様より『勇者刑に処す』について書かせていただきました!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
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