『魔王都市』を紹介します。-リュウのサブカル日記-

リュウ

皆さんこんにちは、リュウです。
今回はガガガ文庫より『魔王都市』を紹介します。

『魔王都市』ってどんな作品？
用語解説
メインキャラを4文でサクッと紹介
あらすじ
感想

『魔王都市』ってどんな作品？

『魔王都市』は著「ロケット商会」、イラスト「Ryota-H」で贈られるファンタジー×クライムサスペンス作品です。

著者のロケット商会先生は他にも、KADOKAWAの新文芸より『元英雄、HP１の妹を伝説の勇者にする』や、電撃の新文芸より『勇者刑に処す』などの作品も出されています。
※以下書影をタップすればBookwalkerさんのページに飛ぶことができます。

『勇者刑に処す』について詳しく紹介している記事はこちら

リュウ

『勇者刑に処す』は先日アニメ化が決定しましたね！
僕も最新4巻まで読んでいるほど大好きな作品ですので、ダークファンタジーがいける方には是非とも読んでみてほしいです……！

イラストを担当されたRyota-H先生は他にも、幻冬舎コミックスより発売されている『マジックユーザー』のイラストも担当されていますね。

リュウ

Ryota-H先生の描くイラストはすっごく可愛くてカッコいいんですよね！
特に『魔王都市』の最初に出てくる挿絵では食いしん坊のアルサリサが描かれていて、もうめっちゃ可愛いので皆さん買って読んでください！

用語解説

《不滅工房》

人類連邦司法庁のことで、かつて魔王を追い詰めた『聖剣』を生み出した組織。
そこに所属する騎士は「正規魔導騎士」と呼ばれている。
下部組織として「派出騎士局」というのも存在する。

派出騎士局四課

派出騎士局の中でも、特異な者たちが集められている部署。
一課の人物からは「雑用係」呼ばわりされている。
度重なる失敗を繰り返した結果もはや人間ではなく『備品』扱いとなった「バケツくん」や、何故か四課のメンバーから『センセイ』と呼ばれている「ハムスター」などが所属している。

精霊兵装

液状化した精霊を内部に封入して、疑似的に魔術を演算させるもの。
魔術を使えない人間のために開発された兵器だが、魔族の使用する魔術の方が圧倒的に強力なため、基本1対1では魔族に軍配が上がる。
単一の魔術しか演算できないものの、その分誰にでも使えることが魅力。

魔王都市ニルガ・タイド

本作の舞台で、魔族と人間が共存している特区。
ただし治安は最悪も最悪で、日々何かしらの事件が巻き起こっている。
現在はこの都市を治めていた魔王ニルガラが失踪して5年の月日が経っているため、その跡目になろうと『僭主七王せんじゅしちおう』と呼ばれる7体の魔族がにらみ合いを続けている。

『僭主七王』

「我こそは正統なる魔王後継者である」と主張する7体の魔族の総称。
その７体とは、《世界樹》ソロモン・《夜の君》イオフィッテ・《鋼帝こうてい》ミぜ・《絶嘯者ぜっしょうしゃ》ギダン・《天輪てんりん》ハドライン・《冥府の貌めいふ　　かお》ロフノース・《さまよえる》クルルヴォのこと。
彼らは独自の『會かい』と呼ばれるグループを組織し、互いを牽制し合っている。

メインキャラを4文でサクッと紹介

キード・マーロゥ

本作の主人公で、派出騎士局四課の一員。
自身の指令を忠実に高速で遂行する小型円盤型の精霊兵装、通称「フロナッジ」を武器・サポートアイテムとして使用している。
「何をすればいいのか」が明白な場合、反社会的・反倫理的なことにさえ目をつむれば、どれだけ困難なことでも絶対に・・・成し遂げることができる。
ただし常に気だるげでサボりが多く、ロクな仕事は任されないため、『なまくらキード』という不名誉な異名を付けられている。

アルサリサ・タイディウス

本作のメインヒロインで、《不滅工房》直属の正規魔導騎士。
魔王と平和条約を結び、人間と魔族の戦争を終わらせた勇者ヴィンクリフ・タイディウスの実の娘。
虚空から数十本の伸縮自在の鎖を出すことのできる精霊兵装、通称「クェンジン」を武器として使用している。
幼い見た目ではあるが「法に従って法を執行する」ことを徹底しており、その強引な捜査や潔癖すぎる態度から、一部の者には『狂犬』とも呼ばれている。

あらすじ

無法都市を裁く、正義と仁義。

人類と魔族の講和の象徴である共存特区『ニルガ・タイド』――通称・魔王都市。
七柱の魔族の王が治めるこの街で、一柱の王が殺された。
均衡が崩れ極度の緊張状態に陥る中、事態を重く見た人類連邦司法庁≪不滅工房≫は事件解決のため勇者の娘であるアルサリサ・タイディウスを魔王都市へと派遣する。
彼女が組むことになったのは、なまくらキードと呼ばれる一人の捜査官だった。
法の名の下に正義を執行する、勇者の娘。違法を厭わず仁義を貫く、不良捜査官。
暴力と陰謀が入り乱れる混沌都市で、歪なコンビの常識外れの捜査が始まる。

一方、魔王都市内では各勢力による衝突が激化し、巨大な抗争へと発展していく。
刻限迫る中、アルサリサとキードは黒幕へと辿り着けるのか――異世界舞台の世界破滅級クライムサスペンス。
Amazonより引用

感想

まずはストーリーの感想から。
本作は僭主七王の一柱である《世界樹》ソロモンが殺された事件を、主人公とヒロインの凸凹コンビが協力して捜査し、真相を追い求めていくクライムサスペンス作品ですね。
最初に言います。この作品、めっちゃくちゃ面白いです。
いややっぱロケット商会さんはすごいですよ……。
正直『勇者刑に処す』という面白すぎる前作が存在するせいで、中盤までは「面白いけど『勇者刑』ほどじゃないかな…」と思っていました。
しかし終盤以降の展開が予想外＆激アツすぎて、一気に最高の1冊になりましたね！
もう本当ページをめくる手が止まらなかったです！
こんなに終盤力が高い作品を読んだのは久しぶりですよ！
「浄血属ヴァンパイア」に「唱翼属ハーピー」に「樹王属トレント」と、様々な種族が自らの『會』の意地と誇りをかけて、迫力満点な戦闘を繰り広げる場面は僕の厨二心を最大限にくすぐってくれましたね。
派出騎士局四課の活躍も最高にド派手で、鳥肌がブワッとなりました笑
今のところ今年の『このライトノベルがすごい！』の投票筆頭候補です！
2巻も早く発売してください！待ちきれません！！！
僕みたいに刺さる人には深いところまでぶっ刺さる本作品。
気になった方は是非ともお手に取ってみてください！
超絶おすすめの1冊です！

次にキャラの感想。
主人公のキードはいつも気だるげな不真面目青年です。
そのくせ事情聴取をするためなら相手の根城を爆破したり、家族を平気で人質にとったりします。
そんなヤベー奴なんですけど、普段の物腰は柔らかくて不思議と憎めないんですよね。
‟仁義”というものを誰よりも重んじていて、仁義さえ守れば魔族でさえも助けますし、逆に仁義を軽くみる奴には人間であってもどこまでも冷酷になれそうなのが、ギャップを感じられてカッコよかったです。
ヒロインのアルサリサは「どんな小さな悪事も見過ごせない」という高潔すぎる精神を持った超真面目ちゃんです。
しかし頭が固いわけではなくて機転も利きますし、きちんと引き際なども弁えてます。
また、倫理外の調査を行うキードに厳しい女上司みたいな小言をたくさん言いますが、その反面戦闘後には食いしん坊になったりお菓子を食べたがったりするのが可愛かったです。
まだまだ子供ですからね笑
「自分を大人のように見せようとする子供」という部分では、『勇者刑』のテオリッタと似ているなと思いました。
派出騎士局四課の面々も登場シーンだけ見れば少なかったものの、かなり強烈なインパクトを与えてくれましたね。
彼らの2巻以降の活躍が楽しみです！

最後に読みやすさ。
漢字＋カタカナルビの用語がたくさん登場するので、最初は慣れるのに時間がかかってしまうと思います。
しかしそこを乗り越えればその後は一気に読み進められます！
文章自体は全然読みやすいので、ファンタジー作品に慣れている方なら問題なしです！