皆さんこんにちは、リュウです。
今回はガガガ文庫より『さようなら、私たちに優しくなかった、すべての人々』を紹介します。
ネタバレはなしです。
※タイトルが少し長いので、以下『さよ私』と表記します。
『さよ私』ってどんな作品?
『さよ私』は著「中西 鼎」、イラスト「しおん」で贈られる復讐譚です。
著者の中西先生は他にも、角川スニーカー文庫より『特殊性癖教室へようこそ』や、ガガガ文庫より『たかが従姉妹との恋。』などの作品も出されています。
※以下書影をタップすればBookwalkerさんのページに飛ぶことができます。
中西先生といえばジャンプ+で公開されている『火遊び同盟』『少女Null』の原作者としても有名ですね。
特に『火遊び同盟』は雰囲気が『さよ私』と似ているので、『さよ私』が気になっている人&好きな人は是非読んでみてほしいです!
イラストを担当されたしおん先生は他にも、ファミ通文庫より発売されている『死神少女と最期の初恋』や、TO文庫より発売されている『アムリタの饗宴』などの作品のイラストも担当されています。
しおん先生の描く女の子はどことなく陰があって良いですよね……!
『さよ私』の表紙も本編の雰囲気に合っていてすごく好きです!
『さよ私』の舞台
阿加田町
四方を山によって囲まれた何もない田舎。
「オカカシツツミ」という生贄の伝説がある。
田茂井家という一家が町全体を牛耳っており、誰も彼らに逆らえない。
メインキャラを3文でサクッと紹介
中川 栞
本作の主人公で、高校2年生の少年。
阿加田町で生まれ育った。
田茂井家の蒼樹にいじめられており、冥の復讐の協力者となる。
佐藤 冥
本作のヒロインで、高校1年生の少女。
姉の明里を自殺に追い込んだ7人を殺害すべく、東京から阿加田町に引っ越してきた。
オカカシサマの声を聞き儀式を行ったことで、一時的に神の力を借りることができるように。
オカカシサマ
阿加田町に昔から存在する巨大な蛇の神様。
夏至の日に「オカカシツツミ」という儀式を行うことで、儀式を行った巫女はオカカシサマの能力を一時的に扱えるようになる。
その能力はあまりにも強いが、それに比例して代償も大きい。
あらすじ
姉を殺した七人への復讐に少女は命を捧げた
四方を山に囲まれた田舎町、阿加田町。
この町の高校に通う中川栞は、いじめを受けて不登校になっていた。
ある日、栞の家に同居人として佐藤冥がやって来る。
誰にも心を開かない冥は、この町へ来た目的を栞だけに告げた。「姉を死に追いやった七人の人間を皆殺しにしてやりたいの」
三年前、冥の姉・明里は、この町で凄惨ないじめに遭い自ら命を絶っていた。
その復讐のために、冥はここへ戻ってきたのだ。
冥は阿加田神社に伝わる血塗られた祭儀『オカカシツツミ』を行い、巨大な蛇の神『オカカシサマ』を自らの身に宿らせることで、七人の人間を殺していく計画を立てていた。夏至の夜、冥は儀式を成功させる。
それから一日に一人ずつ、冥は神様の力を借りて、栞と共に姉の死に関わった人間を殺していく。
復讐と逃避行の日々の中、いつしか二人は互いに恋愛感情を持つようになる。
だが冥は栞に、一つの隠し事をしていた。それは『オカカシツツミ』を行った人間は、最後には自らの魂を神様に捧げなければならない、つまりは〈冥の死〉が避けられないことを。「ジャンプ+」でも人気爆発中の、今一番キテる作家が送る、残酷青春ラブロマンス!!
Amazonより引用
感想
ストーリー
事前の評判に違わないかなりダークな雰囲気の作品で、とても苦しみながら最後まで読ませていただきました。(褒め言葉)
マージでしんどかったですね……。
栞や明里に対するいじめ描写ももちろんキツかったのですが、何より明里が自殺に追い込まれるまでの心情が丁寧に少しずつ描写されていくのがキツかったです……。
勇気を出して担任教師にいじめの報告をしたら「じゃれ合いのつもりだったんじゃないか?」って言われるの本当無理です。
明里の絶望が伝わってきてこっちまで胸が苦しくなりました。
僕はずっと都会で育ってきたので正直あまり想像することができないんですけど、田舎って今でも絶対的な家の力によるいじめってあるんですかね?
本作の場合は阿加田町という閉鎖的な町で田茂井家という家が何をしてももみ消せるくらいの権力を持っているんですけど、こういう世界が実際にあると考えると本当にゾッとしました。
その一方でラブロマンスの部分だけ見てみるとすごく癒されましたね。
淡々としてはいるものの、15、6歳の男女が互いに相手のことを想い合っているのが感じられて微笑ましかったです。
2人とも物静かですけど、初対面の時から以外と相手に対する好感度は高かったんじゃないのかなって感じましたね。
全体的に見て確実に好きな作品の部類ではあったんですけど、かかる心労が半端じゃないので体調悪い日や精神を病んでる時には絶対に読んじゃいけない作品だなって思いました。
終わり方が終わり方なので2巻は確実に出ないと思いますけど、中西先生が同じような感じの次回作を出すならばそちらも読みたいです。
楽しみにしています!
キャラ
だからこそ「いじめ」や「姉の死」といった普通でない出来事に巻き込まれたせいで、「復讐」という道を辿ることになった2人を見てなんだか悲しい気持ちになりました。
復讐を否定する気は毛頭ないですけれど、高校生らしい行動を取っている2人を見ると、やっぱり環境さえ良ければなぁって思っちゃうんですよね……。
自殺してしまった明里ちゃんも本当にただの良い子なんですよ。
兎にも角にも環境がクソすぎて……。
普通な人々が最悪な町で最悪な人々によって最悪に塗り替えられていくので、栞や冥や明里といったキャラが不憫でなりませんでした。
読みやすさ
ラノベは楽しくてなんぼ!という方にはおすすめし辛いですけど、いじめ・復讐大歓迎という方にはおすすめの1冊です。
400ページの地獄を味わいたい方は是非!
まとめ
総合評価
ストーリー
★★★★★★★★
8/10
キャラ
★★★★★★★★
8/10
読みやすさ
★★★★★★★
7/10
こんな人におすすめ!
・ダークな雰囲気の作品が好きな人
・いじめや復讐といった要素に耐性がある人
・1巻完結作品が好きな人
今回はガガガ文庫より『さようなら、私たちに優しくなかった、すべての人々』について書きました!
最後までご覧くださりありがとうございました!
この作品が気になった方は、下のリンクからお買い求めいただけると幸いです。
BOOK☆WALKER↓
honto↓
Amazon Kindleはこちら