人と人外の、たった5日間の物語 『砂の上の1DK』を紹介させていただきます。

ラノベ紹介

皆さんこんにちは、リュウです。
今回は角川スニーカー文庫様より『砂の上の1DK』について書かせていただきます。

『砂の上の1DK』ってどんな作品?

『砂の上の1DK』は著者「枯野瑛かれのあきら」、イラストレーター「みすみ」で贈られる、SF作品です。

著者の枯野瑛先生は他にも、同じく角川スニーカー文庫様より『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』や、その続編である『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?』などの作品も出されています。
※以下書影をタップすればBookwalkerさんのページに飛ぶことができます。

すかすか』も『すかもか』も本当に素敵な作品なので未読の方はこちらも是非……!
ちなみに僕がラノベの感想をTwitterにあげたのはこの作品が初めてでした(たしか)。

イラストレーターのみすみ先生は他にも、富士見ファンタジア文庫様より発売されている『好きな人がバレたら死ぬラブコメ』や、電撃文庫様より発売されている『友達の後ろで君とこっそり手を繋ぐ。誰にも言えない恋をする』などの作品のイラストも担当されています。

好きな人がバレたら死ぬラブコメ』について紹介しているブログはこちら

みすみ先生のイラストは本当に透明感があって大好きなんですよね……!
砂の上の1DK』の美しい世界観にもすごく合ってました!

メインキャラを4文でサクッと紹介

江間 宗史えま そうじ

本作の主人公で、26歳の青年。
自称‟たまにスパイ的なこともする一般人”だが、セキュリティ関連の面でも身体捌きの面でも一般人とは程遠い腕前を誇る。
6年前は家庭教師など日の当たる仕事をしていたが、とある事件をきっかけに日陰者として生きざるを得なくなってしまった。
『自主的に助けを求めてきた相手だけを、対価を受け取りながら助ける』がポリシー。

真倉 沙希未さなくら さきみ

本作の舞台装置、書き割りの役割を努める大学2年生の少女。
6年前、宗史が家庭教師をしていた時の教え子で、宗史のことを「江間先生」と呼ぶ。
父親がとある研究施設で勤務しており、父親に忘れ物を届けようと研究施設に向かったところ、6年ぶりに宗史と再会した。
甘え上手で可愛らしい、メインヒロイン的な人物だが、本作ではかなり不憫な立ち位置。

アルジャーノン

本作のメインヒロインで、謎の寄生生物パラサイト
沙希未の父が勤務している研究施設に突如持ち込まれた肉片で、宿主の傷に入り込むとその傷をたちまち癒し、再生させる万能細胞と化す。
ただしただ癒すのではなく、宿主の人格までをも乗っ取る。(これは宿主が人間でもラットでも同様)
本作では瀕死の重傷を負った沙希未の身体に入り込んだ。

孝太郎こうたろう梧桐ごとう

孝太郎は宗史を「江間さん」と呼ぶ青年で、通称「おしゃべり屋」。
軽薄そうな喋り方をするも宗史のことは本気で慕っており、様々な面で彼をサポートする。
梧桐は本作における明確なラスボス。
手段を選ばない切れ者で、自らの手から逃げ延びた宗史と沙希未を追っている。

あらすじ

産業スパイの青年・江間宗史は、任務で訪れた研究施設で昔の教え子である少女・真倉沙希未と再会する。
一通りの会話を終え、解散した2人。
だがその数分後、『おしゃべり屋』から宗史に「沙希未の父の勤める研究施設が攻撃されている」という情報が伝えられる。
急いで研究施設に向かった宗史だったが時すでに遅く、沙希未の父は死亡し、沙希未も致命傷を負っていた。
なんとか死を免れた沙希未だったがその挙動はおかしく、彼女が未知の寄生虫・呼称‟アルジャーノン”に身体を乗っ取られたことが判明する。
沙希未の記憶を‟視て” どんどん人間に近づいていくアルジャーノン。
生まれたての彼女には全てが新鮮で、全てが輝いて見えた。
だがひとについて学ぶうちに彼女は気づいてしまう。
自らこそが‟悪役”だということに。
そしてそんなアルジャーノンに対して宗史の心境も変化していき――。
これは、ひとに憧れたひとならざる生物と、1人の青年のたった5日間の物語である。

感想

枯野瑛先生の新作ですね!
すかすか』『すかもか』が大好きなので、ずっと読むのを楽しみにしていました!

まずはストーリーの感想から。
人を模す謎の生物とスパイの青年のお話でしたね。
すっごく面白かったです!
正直序盤の序盤でヒロインだと思っていたキャラの人格が消えた時はドン引きだったんですけど、読み進めるうちにどんどん物語に引き込まれていきました。
特に最後の疾走感はたまらなかったですね。
やっぱり枯野瑛先生は儚くて美しい日常も、熱いバトルもどちらも最高に描くのが上手いと感じました。
続編に関してはこの1冊でめちゃめちゃ綺麗にまとまっているので正直出てほしくないですね……
なんかどうやっても蛇足になりそうです……(まあもし出るなら買うんですけど)

次にキャラの感想。
アルちゃん(アルジャーノン)がめちゃかわでした!
何も知らない状態で生まれ、頼れるものは宗史だけという彼女には庇護欲を搔き立てられましたね。
どんどん愛着が湧いていきました。
でもやっぱ1番よかったのは主人公ですよ主人公。
枯野瑛作品の歴代主人公(ヴィレム・フェオドール)はマジでカッコよすぎるので今回も期待していたのですが、しっかりと期待に応えてくれましたね笑
「しゃーねぇなあもう!」って感じで戦いに臨む姿は本当に大好物です。
『おしゃべり屋』孝太郎や、切れ者スパイの梧桐のキャラもしっかりと立っていましたね。
登場人物が多かったのにも関わらず、1冊でしっかりと全キャラを魅力的に書ききったのは流石ベテラン作家さんだなと感じました。

最後に読みやすさ。
視点変更が多かったので、少しだけ「ん?」となる箇所もありましたが、全体的には読みやすかったと思います。
枯野瑛先生の作品は気になるけどどれも長くて手が出しづらいなぁと考えている方は是非とも手に取ってみてください!
そして本作が気に入った方は『すかすか』と『すかもか』も……!
今セール中で買いやすくなってるので……!(枯野先生の作品をとにかく読ませたい厄介オタク)

総合評価

スト―リー
★★★★★★★★
8/10
キャラ
★★★★★★★★
8/10
読みやすさ
★★★★★★★
7/10

こんな人におすすめ!

美しい物語が好きな人
人のように振る舞おうとする人外キャラが好きな人
枯野瑛作品が好きな人

今回は角川スニーカー文庫様より『砂の上の1DK』について書かせていただきました!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
この作品が気になった方は下のリンクからお買い求めいただけると幸いです。

電子はこちら⇩

砂の上の1DK
人に宿った未知存在と青年スパイ、期限付きの逃亡生活が始まった。 研究施設への破壊工作に一般人が巻き込まれ――瀕死の彼女に取りつき治癒したのは、研究対象だった未知の細胞。人に順応していくそれ=呼称・アルジャーノンが望んだのは、穏やかな、人らしい日常…

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