皆さんこんにちは、リュウです。
今回は電撃文庫様より『竜殺しのブリュンヒルド』について書かせていただきます。
『竜殺しのブリュンヒルド』ってどんな作品?
『竜殺しのブリュンヒルド』は著者「東崎惟子」、イラストレーター「あおあそ」で贈られる、ファンタジー作品です。
第28回電撃小説大賞では《銀賞》を受賞されました。
著者の東崎先生はこの作品でデビューされた作家さんです。
デビュー作ですがめちゃくちゃ面白かったので、東崎先生の次回作も買おうと思います!
イラストレーターのあおあそ先生も、ラノベのイラストという点では本作がデビュー作です。
あおあそ先生のイラスト超超超カッコよかったので、是非これをきっかけに今後他の作品のイラストも担当してほしいですね……!
用語解説
「エデン」
世界各地に点在する、神の寵愛を受けている伝説の島。
ここには知恵の果実が生り、生命の樹が生え、小河にはネクタル(神々の飲み物)が流れている。
そのため人々は太古からこの島を自らのものにしようとしていたが、島の守護者である竜によって全て返り討ちにされてきた。
数少ない禁忌として、「親と子の恋慕」が存在する。
ノーヴェルラント帝国
‟竜殺しの一族”「ジークフリート家」を擁し、世界で1番多くの「エデン」を占領した国家。
「ジークフリート家」
いかなる竜でも一撃で葬ることができる【カノン砲バルムンク】を世界で唯一操ることができる一族。
故に‟竜殺しの一族”とも呼ばれている。
永年王国
善行を積んだ魂だけが死後辿り着ける世界。
そこは果てなく続く楽園で、尽きることのない寿命を、病に侵されることも、老いに蝕まれることもなく、愛する者たちと過ごすことができる。
竜の血
強いエネルギーを有する猛毒で、一万人の人間に浴びせたら九千九百九十九人は死ぬ。
だが生き残れば、その人間は血の主と同じだけの力を授かることができる。
メインキャラを4文でサクッと紹介
ブリュンヒルド
本作の主人公で、16歳の少女。
実はジークフリート家の生まれだが、3歳の時に攫われてからは「エデン」で竜に育てられた。
幼い頃から竜の血、知恵の果実、生命の樹、ネクタルなどを摂り続けたことで、人外の能力を多く手に入れている。
過去、人に変身した竜と共にノーヴェルラント帝国に4日間だけ滞在し、人間を見限った。
白銀の竜
「エデン」を太古から守り続けている守護者。
自らの血を浴びながら生き残ったブリュンヒルドに神の意志を感じ、彼女を娘のように育てることに。
ブリュンヒルドと共に永年王国に向かうため、彼女に「決して他人を憎んではならないよ」など、様々な教えを伝えた。
聡明で強く、まさに神秘の象徴。
シギベルト・ジークフリート
ブリュンヒルドの実父であり、ジークフリート家当主。
現在、唯一存在する【カノン砲バルムンク】の使い手で、白銀の竜を殺した張本人。
軍での階級は准将で、かなり優秀な人物。
だが人間性に問題があり、無愛想で無口なため友人はたった1人しか存在しない。
シグルズ・ジークフリート
シギベルトの息子で、ブリュンヒルドの兄。
自分にバルムンクを継がせようとしない父を認めさせるため、毎日身体に鞭打って訓練に励んでいる。
ブリュンヒルドのことは大嫌いだったが、自分にだけは素直な彼女と共に過ごすうち、だんだんと大切な友人だと思うようになる。
何度でも立ち上がる、正義感の強い少年。
ヨハン・ザックス
シギベルトの唯一の友人で、ノーヴェルラント陸軍の大佐。
シギベルトとは正反対の性格で、非常に社交的で陽気な人物。
ブリュンヒルドの顔は二度と見たくないと言うシギベルトの代わりに、ブリュンヒルドの面倒を見ることに。
産まれる前に死んだ娘をブリュンヒルドと重ねており、彼女を大切に思っている。
あらすじ
名をブリュンヒルドというその少女は、齢三つの時に伝説の島「エデン」の海岸に取り残され、その身を竜に育てられた。
竜は少女を自らの娘のように思い、少女もまた竜を父のように思っていた。
一人と一匹は、愛し、愛されたのだ。
しかし十三年後、幸せな日々は突如終わりを迎える。
――竜が、帝国に討たれたのだ。
ブリュンヒルドは帝国に奪還され、そこで‟父”を殺した男と再会する。
心に在るは「決して他人を憎んではならないよ」との教え。
愛のために敵を赦すか、愛のために敵を殺すか――。
電撃文庫の贈る本格ファンタジー、ここに開幕。
感想
いや本当にカッコよすぎ……
まずはストーリーの感想から。
‟竜殺し”として産まれたものの、竜に育てられ、竜を愛してしまった少女ブリュンヒルドの、哀しい、本当に哀しい物語でしたね。
読了後の最初の感想は「まさかこれほどまでとは……」って感じでした。
もう本当に刺さりすぎて……
心にポッカリと大きな穴を開けられてしまいましたね……笑
とにかく美しく、残酷な作品ですので、そういうのが好きな方はめちゃくちゃ楽しめると思います!
あと1巻で綺麗にまとまっていたのも良かったですね。
これは絶対複数巻に分けるべきではない作品なので。
いや~本当に凄まじい作品でした……
次にキャラの感想。
主人公のブリュンヒルドは強くて凛々しくて、読んでいるこっちがゾッとするくらいカッコいい女の子でしたね。
ずーっと彼女の本心が読み取れなくて正直怖い部分もありましたが、そこもまた彼女の大きな魅力だと思うことができました。
でもやっぱり僕はシグルスが1番好きですね。
父に認められたくて努力して努力して、絶対的な力を持つブリュンヒルドに何度も何度も立ち向かって……
彼が1番本作で‟人”らしく、非常に感情移入してしまいました。
彼があの‟4日間”のうちにブリュンヒルドと出会えていれば、全員が救われることができたのかもしれませんね。
最後に読みやすさ。
読みやすいか読みにくいかでいうと、正直読みにくいです。
これは文章が悪いとかではなく、(むしろ文章はとても上手い)ページを捲る手がなかなか動いてくれないからです。
早く続きを読みたい、でも読みたくない。
そんな葛藤の結果、どうしても読み進めることができなくて……
珍しく本を読みながら何度も何度も休憩を挟んでしまいました……
読むのにかなりのカロリーと覚悟を必要としますが、間違いなく記憶に残る神作だと思います!
総合評価
ストーリー
★★★★★★★★★
9/10
キャラ
★★★★★★★★★
9/10
読みやすさ
★★★★★★
6/10
こんな人におすすめ!
・美しくて残酷な作品が好きな人
・強くてカッコいい女性主人公が好きな人
・喪失感を味わいたい人
今回は電撃文庫様より『竜殺しのブリュンヒルド』について書かせていただきました!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
この作品が気になった方は下のリンクからお買い求めいただけると幸いです。
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