皆さんこんにちは、リュウです。振り返るとあっという間の1年間でしたね。私は2024年、366冊の本を読むことができました。そこで今回はこの1年を振り返りながら、「あの本好きだったな」「印象的だったな」という作品を簡単なコメントを交えて紹介したいと思います。今回紹介する作品はどれも面白いので、気になった方は是非調べてみてください!それではどうぞ!
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1月
ほうかごがかり
ホラーラノベと言ったらこの人、甲田学人先生の最新作。その凄惨で容赦のない展開には読んでて何度も叫びだしそうになった。しかも舞台が小学校というのがもうね…。
あらすじ
甲田学人、完全新作!! ぼくらは命を賭けて、『奴ら』を 記録する――。
よる十二時のチャイムが鳴ると、ぼくらは「ほうかご」にとらわれる。
そこには正解もゴールもクリアもなくて。
ただ、ぼくたちの死体が積み上げられている。ある日、小学生の二森啓は、教室の黒板に突如として自分の名前が『ほうかごがかり』という謎の言葉と共に書かれたのを目撃し……。
「ほうかご」と呼ばれる異様な学校で、命を賭して化け物たちを記録し抑える、少年少女たちの“真夜中のメルヘン”、解禁。
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2月
魔王と勇者の戦いの裏で
設定が練りに練られている超重厚な戦記ファンタジー作品。薀蓄の量があまりにも多すぎて最高だった。内政と軍備ガチ勢の主人公がカッコよくて良き。
あらすじ
いずれ魔王と勇者の戦いが世界の命運を決める。そんなRPGゲームの世界へ転生したことを思い出した貴族の子息ヴェルナーは、本来名前も出ずに死を迎えるモブ。理由は魔王軍による王都襲撃だろう。そう判断したヴェルナーは悲劇を回避するため、前世の知識と知恵を総動員して生き残る術を模索する。
ゲームの知識で己を鍛え、勇者マゼルと親友になり……迎えたゲーム開始イベント『魔物暴走(スタンピード)』。勇者(しんゆう)のいない戦場で、誰も気付かなかった魔物の狙いを阻止し獅子奮迅の活躍を見せたヴェルナーは、ゲームの歴史をも変えることに――!?
伝説の裏側で奮闘するモブキャラの本格戦記ファンタジー、此処に開幕。
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異修羅 Ⅵ
「最強」を決めるバトルファンタジー作品の第6弾。旅行帰りに寝ている友人の横で読んだところ、ぼろ泣きしすぎてそのあと起きた友人に心配された。
あらすじ(1~5巻のネタバレ注意)
冬のルクノカに敗れ、地の底へ堕ちた星馳せアルス。
――だが彼は生きていた。
アルスは半身を機械に変えてなお、さらなる財宝を求め黄都を襲撃する。
無限の形をとる泥。敵を自動追尾し焼き尽くす炎。あらゆる攻撃を無効化する盾。無数の魔具が破壊の限りを尽くす。約定に従い、これを討つべく逸脱の修羅たちが結集するとき――都市は炎上し、屍山血河の光景が広がる。
全員が最強、全員が英雄、一人だけが勇者。シリーズ最大級の乱戦が幕を開ける。
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十角館の殺人
何年も前からずっと読みたかった綾辻行人の超傑作ミステリ。控えめに言って凄すぎた。実写ドラマで‟アレ”をどうやったのかが本当にわからない。早く見ねば。
あらすじ
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。(講談社文庫)
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ゴールデンスランバー
ピンチに次ぐピンチ。常に手に汗握る展開の連続なのでハラハラドキドキしながら一気に読み終えた。この本を読んでから真面目に誠実に生きようと一層強く思うように。
あらすじ
俺は犯人じゃない! 巨大な陰謀に追い詰められた男。スリル炸裂超弩級エンタテインメント。山本周五郎賞、本屋大賞ダブル受賞。
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない──。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。(解説・木村俊介)
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3月
神様のいるこの世界で、獣はヒトの夢を見る
2022年に俺が最も推したラノベ『奇世界トラバース』作者の最新作。超面白いのにあまり読んでる人がいないので悲しい。「このラノ」でも2位で投票した。
あらすじ
神の差配により、罪を犯した者は身体の一部が異形化させられてしまう世界。生まれながらに身体に変異をもつ原罪種として、罪人を捕らえ裁く治安維持組織の職に就く主人公ヨシュアは、みなし子の女の子カナンと共同生活を始める。しかしこれをきっかけに、ヨシュアは避けがたい運命の波に飲み込まれていく。
数年後、成長したカナンは王政打倒を掲げる革命軍に所属することに。革命軍を率いる女性ノアとカナンの友情とその蹉跌、そして暴かれる神の真実。運命に翻弄されながらも真実のために起ち上がった人間たちの戦いは、壮絶なクライマックスへと向かう。
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TS衛生兵さんの戦場日記
魔法はあるが希望はない。読める地獄。第一次世界大戦をテーマにしてる作品が酷くないわけがないと言えばそれはそう。でも超面白い。TS要素は良くも悪くも少なめかな。
あらすじ
ファンタジーの世界でも戦争は泥臭く醜いものでした
トウリ・ノエル二等衛生兵。彼女は回復魔法への適性を見出され、生まれ育った孤児院への資金援助のため軍に志願した。しかし魔法の訓練も受けないまま、トウリは最も過酷な戦闘が繰り広げられている「西部戦線」の突撃部隊へと配属されてしまう。彼女に与えられた任務は戦線のエースであるガーバックの専属衛生兵となり、絶対に彼を死なせないようにすること。けれど最強の兵士と名高いガーバックは部下を見殺しにしてでも戦果を上げる最低の指揮官でもあった! 理不尽な命令と暴力の前にトウリは日々疲弊していく。それでも彼女はただ生き残るために奮闘するのだが――。
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モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件
『誰が勇者を殺したか』で話題を呼んだ駄犬先生のもう一つのデビュー作。実は俺はこっちの方が好きだったりする。1月に出る4巻が超楽しみ。推しはフラウ。
あらすじ
ファルーン王国の第一王子であるマルスは、12歳ながら暗殺に怯える日々を過ごしていた。
食事には高確率で毒が仕込まれているため、城外の森でモンスターを狩り、その肉を食べて飢えをしのぐ日々。
そんなマルスの前にある夜、大剣を担いだ赤髪の美女が現れ告げる。
「おまえ、見込みがあるな。私の弟子になれ」。
たった一つの勘違いから、少年は(全く望んでないのに)最強の王へと成り上がる――。
投稿小説全ての書籍化が瞬く間に決まった驚異の新人、衝撃の2作同時デビュー!
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少女星間漂流記
「○の星」というタイトルの話が15個入っている百合×SF短編集。武力担当のワタリと頭脳担当のリドリーのコンビがたまらない。俺が好きなのは「愛の星」
あらすじ
ふたりぼっち、安住の星を探し求めて宇宙旅行。
馬車が銀河を駆けている。馬車を模した宇宙船が。
乗っているのは、この風変わりな宇宙船を造った科学者・リドリーと、相棒の内気な少女・ワタリ。
環境汚染で住めなくなった地球を後にして、二人は馬車を走らせる。目指すは、地球に代わる安住の星。
けれど、二人が訪れるのはどれも風変わりな星ばかり! 万物を生き返らせることができる神のいる星、運が良い人間ほど偉いとされる星、無数の図書館ばかりがある星……変わった星々に、二人の少女は翻弄されてしまうことも……。
「次こそ住める星だといいな」二人は今日も、広い宇宙を旅している。
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4月
ぼぎわんが、来る
意味わからんくらい好きだった1冊。これを読む前と読んだ後でホラー小説を読む量が数倍に増えた。今年読んだすべての本の中でも2番目に好きな作品。マジで怖かった。
あらすじ
映画化決定! 全選考委員が絶賛した第22回日本ホラー小説大賞受賞作!
中島哲也監督による映画化決定! 空前絶後のノンストップ・ホラー、待望の文庫化!
映画タイトル:「来る」 公開:2018年12月 配給:東宝
出演:岡田准一 黒木華 小松菜奈/松たか子/妻夫木聡幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。
それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。
その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?
愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。
真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。“あれ”からは決して逃れられない――。綾辻行人・貴志祐介・宮部みゆきら絶賛の第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作!
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玩具修理者
表題作も面白いが、2本目の「酔歩する男」が傑作。「無限」や「宇宙」や「時間」など途方もない存在を想うときのあの恐怖を味わえた。特にラスト一行は鳥肌もの。
あらすじ
これは、悪夢か現実か? 国内ホラー史に鮮烈な衝撃を与えた不朽の名作!
玩具修理者はなんでも直してくれる。
どんな複雑なものでも。たとえ死んだ猫だって。
壊れたものを全部ばらばらにして、奇妙な叫び声とともにあっという間に組み立ててしまう。ある暑すぎる日、子供のわたしは過って弟を死なせてしまった。
親に知られずにどうにかしなくては。
わたしは弟を玩具修理者のところへ持っていくが……。これは悪夢か現実か。
国内ホラー史に鮮烈な衝撃を与えた第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
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白夜行
この春就職した職場の同期におすすめされて読んだ1冊。内容もページ数もとんでもなく厚い作品だったが、8時間くらいかけて1日で一気読みしてしまった。
あらすじ
1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々と浮かぶが、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と「容疑者」の娘・西本雪穂――暗い目をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別の道を歩んでいく。二人の周囲に見え隠れする、いくつもの恐るべき犯罪。だが、証拠は何もない。そして19年……。伏線が幾重にも張り巡らされた緻密なストーリー。壮大なスケールで描かれた、ミステリー史に燦然と輝く大人気作家の記念碑的傑作。
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SICK
作者の「癖」が最初から最後までフルスロットルで展開されている作品。読者の心を極限まで抉り取る、容赦のなさすぎるストーリーにボコボコにされた。
あらすじ
身を焦がす戦慄を力に、少女は恐怖を殺す。
「あなたを絶対に、ひとりぼっちにだけはさせないから」
少女はそう言って、幼い少年の手を取った。その約束が、いずれ最悪の形で破られてしまうとも知らずに――〈ゾーン〉と呼ばれる精神世界に侵入できる異能を持つ叶音と逸流は、精神に巣食い恐怖症をもたらす概念生命体フォビアを殺す仕事を請け負っていた。彼女達の所に、視線恐怖症を患った少女が助けを求めにやってくる。
少女の〈ゾーン〉に潜った叶音が遭遇したのは、物語によって恐怖を育てる謎の奇術師。戦いの最中、奇術師は叶音に問いかける。
「あなたは目を背けていますね? おぞましい自分の過去から」
精神世界での激しい戦いは叶音の精神を摩り減らし、やがて彼女がひた隠しにしていた真実を暴き出していく。心が壊れ、正気を失い、戦いは絶望と恐怖にまみれた混沌の領域へと踏み込んでいく。戦慄を力に変えて恐怖を殺す、ダーク・サイコアクション
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天使の囀り
タイトルが好きな小説ランキングを作れば間違いなく最上位。ラストと合わせると更に好きになる。これを読んで貴志祐介先生の作品は全部読まなきゃな…。と思うように。
あらすじ
北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医。恋人の高梨は、病的な死恐怖症(タナトフォビア)だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンでいったい何が起きたのか? 高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか? 前人未踏の恐怖が、あなたを襲う。
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5月
この物語を君に捧ぐ
多分今年読んだ中で一番泣いたライトノベル。前作も大好きだったのでかなりハードルを上げていたが、悠々と跳び越えていった。「このラノ」でも3位で投票した。
あらすじ
「あなたの担当編集をさせてください、柊先輩」
ある日、無気力な男子高校生・柊悠人の前に現れた自称編集者の女子高生・夏目琴葉。
彼女は悠人に小説を書いてほしいと付きまとってくる。いくら断られても、決して諦めずに。
……まさか、知られたのか? 自分がかつて、世間から天才だともてはやされたプロの小説家だったことを。その過去から逃げるため、知り合いもいない地方の高校にやってきたというのに。筆を折った元天才小説家と、ある”重大な秘密”を抱えた編集者女子高生が紡ぐ、感動必至の青春ストーリー、ここに開幕――。
※電子版には特典として、森日向先生書き下ろしSSが収録されています。
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黒い家
後述する『リカ』と並んで人怖ホラーの極地だと思っている作品。結局1番怖いのは人間なんだよね。シンプルなタイトルから繰り出される圧倒的恐怖が魅力。
あらすじ
顧客の家に呼ばれ、子供の首吊り死体の発見者になってしまった保険会社社員・若槻は、顧客の不審な態度から独自の調査を始める。それが悪夢の始まりだった。第4回日本ホラー小説大賞受賞。
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夏と花火と私の死体
友達に殺され死体となった「わたし」の視点から描かれるひと夏の物語。〈黒乙一〉の代表作。これを17歳で書いたというから乙一先生はやっぱりとんでもないぜ。
あらすじ
九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄弟の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか? 死体をどこへ隠せばいいのか? 恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作品。
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コドクな彼女
GCN文庫様から案件を頂き発売前に読ませていただいた1冊。‟コドク”な彼女と人間の主人公の共依存にも似た純愛が魅力的。PVもダークで非常に良き。
あらすじ
大学生・叶のもとに、転がり込んできた正体不明の少女。
そのただならぬ気配に、身の危険まで感じる叶。
だが相対した彼女から紡がれたのは、悲痛で、弱々しい叫びだった。
「独りは……いや、です。一緒に、いて」
この言葉をきっかけに、叶は少女を迎え入れ、奇妙な同棲生活が始まる。
「赤瀬奈紺」と名付けられた少女は、孤独のない居場所を叶の隣に見出すのだが……?
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6月
夜は短し恋せよ乙女
ポップでキュートな‟森見登美彦”全開の文章が最高。俺はこれを読んだその日の夜に友人とbar「moonwalk」に行って‟黒髪の乙女”を飲んだ。超美味かった。
あらすじ
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!
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夢みる葦笛
ガチガチのSFが10本収録されているSF短編集。どれも面白いが、中でも「滑車の地」は傑作。想像力を膨らませながら1日1本寝る前に読むと不思議な夢が見られそう。
あらすじ
ある日、街に現れたイソギンチャクのような頭を持つ奇妙な生物。不思議な曲を奏でるそれは、みるみる増殖していく。その美しい歌声は人々を魅了するが、一方で人間から大切な何かを奪い去ろうとしていた。(表題作) 人と人あらざるもの、呪術と科学、過去と未来。様々な境界上を自在に飛翔し、「人間とは何か」を問う。収録作すべてが並々ならぬ傑作! 奇跡の短篇集。
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フェスタ
ロンシャンで行われる凱旋門賞に命を燃やす人馬の物語。競馬好きはもちろん、競馬あまりわからんぜよという人でも楽しめると思う。超熱血物語という言葉が似合う1冊。
あらすじ
北海道浦河町で生産牧場を営む三上収、三上徹の親子。
パリ・ロンシャン競馬場で開催される世界最高峰の「凱旋門賞」の舞台で力を発揮できるのは、ステイゴールドの血統に違いない――と確信していた。
そう結論づけた収はその産駒であり、かつて凱旋門賞で二着となったナカヤマフェスタの種付けを続けていた。そうして収が自信を持って作り出した仔馬は、調教師・児玉健司の目に留まり、将来の可能性を信じた馬主の小森達之助に引き取られることに。
二歳となりカムナビと名付けられたかつての仔馬は、美浦の児玉厩舎に引き取られ、その気性の荒さから厩務員である小田島雅彦らに手を焼かせていた。
一進一退しながらも着々と結果を残していくカムナビ。
目指すは、日本競馬界の悲願である凱旋門賞制覇。
生産者、厩務員、調教師、馬主、ジョッキー……ホースマンたちの夢を一頭の競走馬に懸けた熱き物語。
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バケモノのきみに告ぐ、
多ヒロイン×異能力バトルファンタジー作品。1冊で4人のヒロイン全員が魅力的に書かれているのがすごい。ゲソきんぐさんのイラストも最高。推しは「魔犬」のエル。
あらすじ
バケモノに恋をしたこと、きみにはあるか? 或る少年の追想と告白。
城壁都市バルディウム、ここはどこかの薄暗い部屋。
少年・ノーマンは拘束されていた。
どうやら俺はこれから尋問されるらしい。語るのは、感情を力に換える異能者《アンロウ》について。
そして、『涙花』『魔犬』『宝石』『妖精』。名を冠した4人の美しき少女とバケモノに立ち向かった想い出。「とっとと倒して、ノーマン君。帰ってイチャイチャしましょう」
「……いや、君にも頑張ってほしいんだけど?」全くやる気のない最強で最凶な彼女たちの欲望を満たし、街で起こる怪事件を秘密裏に処理すること。
これこそが俺の真なる使命――――のはずだった。だが、いまや俺はバルディウムを混乱に陥れた大罪人。
魔法も、奇跡も、幻想も。この街では許されないようだ。
でも、希望はある。どうしてかって?――この〈告白〉を聞けばわかるさ。
第30回電撃小説大賞最終選考会に波紋を呼んだ、異色の伝奇×追想録。
ラスト、世界の均衡を揺るがす少年の或る〈告白〉とは――。
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やがて英雄になる最強主人公に転生したけど、僕には荷が重かったようです
「今年の一番面白かった新作ラノベは?」と聞かれたら「これ」と即答する。それくらい頭抜けてる転生ファンタジー作品。「このラノ」でももちろん1位で投票した。
あらすじ
主人公補正ゼロ、それでも僕は英雄を志す――!
第8回カクヨムWeb小説コンテスト カクヨムプロ作家部門 特別賞受賞!
王道RPGの主人公ルークに、とあるゲームオタクが転生した。
才能に恵まれ、予習も完璧、のはずだったのに。
チュートリアルで、幼馴染の本命ヒロインを守りきれなかった。
この世界ではご都合主義は起きない。
それでも、とルークは誓う。
必ず英雄になって、世界を救ってみせる!
本来の自分を隠し、ルークの冒険をなぞり始めた彼に、
仲間たちは原作とは違う反応を示していき――?
英雄になる使命を負った少年の偽りの英雄譚、開幕。
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7月
まきなさん、遊びましょう
あまり見ない貴重なホラーライトノベル。ホラーとアクションの塩梅が程よく、非常に読みやすい作品に仕上がっていた。サクッと手軽に読めるホラーとしておすすめ。
あらすじ
「――まきなさん、遊びましょう」
そう唱えて三度カードを叩くと禍々しい気配と共に、妖しくも美しい怨霊「まきなさん」が現れる――
親友を悩ます霊障の原因を探る平凡な高校生・戸川諒介は。迫る怪異の脅威を前に、先輩の西島に教えられた通りに唱えた。するとそこに虚空より現れて怪異を叩きのめしたのは「まきなさん」を名乗る西島その人だった……。
美しき怨霊と共に怪異事件に挑むオカルトミステリー。
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闇祓
辻村深月先生の超傑作ホラーミステリ。日常が‟奴ら”に支配され、恐怖がじわじわと襲い掛かってくる構成は見事としか言えない。2個目のママ友の話が特にヤバくて好き。
あらすじ
あいつらが来ると、人が死ぬ。 辻村深月、初の本格ホラーミステリ長編!
転校生の白石要は、少し不思議な青年だった。背は高いが、髪はボサボサでどこを見ているかよくわからない。優等生の澪は、クラスになじめない要に気を遣ってこわごわ話しかけ徐々に距離を縮めるものの、唐突に返ってきた要のリアクションは「今日、家に行っていい?」だった――。この転校生は何かがおかしい。身の危険を感じた澪は憧れの先輩、神原一太に助けを求めるが――。学校で、会社で、団地で、身の周りにいるちょっとおかしな人。みんなの調子を狂わせるような、人の心に悪意を吹き込むような。それはひょっとしたら「闇ハラ=闇ハラスメント」かもしれない。「あの一家」が来ると、みんながおかしくなり、人が死ぬ。だから、闇は「祓わなくては」ならない――。辻村深月が満を持して解き放つ、本格長編ホラーミステリ!
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
ファンタジーな「世界の終り」とSFな「ハードボイルド・ワンダーランド」。2つの異なる世界の物語が同時に進行していき、徐々に交わっていく幻想的な物語。傑作。
あらすじ
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
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予言の島
「初読はミステリ、二度目はホラー」という帯が有名な作品。小ネタや伏線が非常に多く、一度読んでから初めて本当の物語が始まると言っても過言ではない。
あらすじ
瀬戸内海の霧久井島は、かつて一世を風靡した霊能者・宇津木幽子が最後の予言を残した場所。
二十年後《霊魂六つが冥府へ堕つる》という――。天宮淳は、幼馴染たちと興味本位で島を訪れるが、旅館は「ヒキタの怨霊が下りてくる」という意味不明な理由でキャンセルされていた。
そして翌朝、滞在客の一人が遺体で見つかる。しかしこれは、悲劇の序章に過ぎなかった……。すべての謎が解けた時、あなたは必ず絶叫する。
再読率100%の傑作ホラーミステリ!
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リカ
ストーカー女「リカ」に文字通り死ぬほど愛され、追いかけられ、追い詰められる物語。シリーズ全9巻すべて読んだが、やっぱり1作目の『リカ』が段違いで怖い。
あらすじ
妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。その狂気に追いつめられた本間は、意を決し怪物と対決する。単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。
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一週間後、あなたを殺します
そのタイトルとは裏腹に、どこまでも優しく愛に満ちた物語だったのが非常に印象的。2025年1月には続編も出るので本当に楽しみ。「このラノ」でも4位で投票した。
あらすじ
「一週間後、あなたを殺します」
そんな言葉と共に、罪を犯した人の下に現れる猫耳姿の死神がいるという。
コードネーム33。またの名をミミ。彼女は七日間の猶予を与えた後、標的を殺めるという変わった殺し屋であった。
麻薬運びの青年、出産予定一週間後の妊婦、父親のために人を殺めた少女、世直しを志して悪人を殺し回る少年など。ミミに殺される運命となった彼らは残された一週間で何を願い、どう生きるのか?
「《汝の旅路に幸あらんことを(Bon Voyage)》」
これは罪人に最期の時を与える猫耳姿の殺し屋と、彼女に殺される者たちの交流を描いた命と別れの物語。
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8月
サブマリン
短編集である『チルドレン』に登場する陣内を主人公とした長編小説。重いテーマを扱いながらも、家裁調査官となった陣内の豪快で無茶な論理が清々しく読後感も爽快。
あらすじ
家裁調査官・陣内と武藤が出会う「少年たち」。報道される事件と、実情が違っていることは少なくない。『チルドレン』から、12年。罪と罰をめぐるものがたり。
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死神の浮力
2連続伊坂先生。こちらも短編集である『死神の精度』の続編にあたる長編小説。「勧善懲悪もの」として個人的に1番好きな作品。オチがこれ以上なく秀逸で最高。
あらすじ
娘を残虐に殺された小説家の山野辺は苦しみのなかにいた。
著名人であるが故にマスコミからの心無い取材に晒され、さらに犯人とされていた男・本城が第一審で無罪になったのだ。
しかし、山野辺は彼が犯人であることを「知っていた」。 彼はサイコパスと呼ばれる反社会的人格者で、 自分が犯人である証拠を、山野辺宛てに送ってきていたのだった――。控訴の猶予期間は二週間。山野辺とその妻、美樹は一時的に自由の身になった本城を探し、動き始める。そこに千葉という男が現れ「本城の居場所を知っている」と言う。 山野辺夫妻は半信半疑ながらも、この妙な男と行動を共にすることにする。
山野辺夫妻・千葉チーム対サイコパス本城の勝負の行方は?
今回、千葉が「担当している」のは誰なのか? そして調査の結果は?
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地雷グリコ
今年のミステリ界隈の話題を席巻したバケモン小説。実写映画化は確実と俺の中でもっぱらの噂。今年読んだすべての本の中でも1番好きだった作品。とにかく読むべし。
あらすじ
ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。
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パジャマのきみと、教室で青春を
ファンタジア文庫様から案件を頂き発売前に読ませていただいた1冊。すこしフシギな青春ラブコメであり、優しく温かな気持ちになれる作品。ヒロインがかわいんだ。
あらすじ
可愛くて、エモい。4人だけの教室で始まる、青春と恋の物語。
――私たち、運命なんだよ。
そう言っておれに笑いかけてきた彼女は、パジャマが合わさったへんてこな制服を着ていた。学校では制服を着る。
そんな”普通”が許されない、学校から消失した少女たちが集まるのが、高校ゼロ年生の教室だ。なぜか彼女達を認識できる特異体質のおれは、
頼る相手がおれしかいない病院帰りの美少女お嬢様なゼロ年生・琴守楓花に、
学校から消えるという不思議現象の解決に協力することでお近づきになる。しかもその教室には、ほかにも悩みを抱えている不思議な制服の美少女たちが集まっていて――
夏の京都、世界から消失したヒロインたちと幸せに向かう青春物語。
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9月
現代ダンジョンライフの続きは異世界オープンワールドで!
ぶっ飛んだ主人公の大暴れっぷりが爽快な1冊。世界観が共有されている同作者様の『凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ』と一緒に読むと更に楽しめる。
あらすじ
上級探索者として名を馳せた遠山鳴人。ある事件に巻き込まれ死亡した彼が、謎の声に導かれるように目を覚ますと、そこはオープンワールドのような異世界だった。奴隷という身分に堕ち、魔物のエサとして利用されそうになるも、異能「キリヤイバ」と探索者として培った技能でもって窮地を脱する。そして数多の生命の到達点として君臨する竜、その一体である蒐集竜アリスすらも退けた遠山は、彼女から認められ求婚されることに。だが、遠山の答え。それは「否」であった。
「決めるのはお前たちじゃない。俺だ。欲望のままに、全てを決めるのは俺だ」
竜の寵愛を受ける強欲冒険者の、異世界ファンタジー活劇第1幕!
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七月の蝉と、八日目の空
温かくて切ないストーリーに終盤のどんでん返しと、界達先生の良さが存分に出ている作品。不思議な金髪少女とのかけがえのないひと夏の物語を是非味わってほしい。
あらすじ
一生忘れたくない一週間――金色に輝く髪の少女と出会い、そして最期を見届けたひと夏の記憶。青春ミステリーの名手が贈る最新作!
中学三年の夏休み。初花晴は脚の負傷で大好きなバスケットボールを遠ざけ、
地方にある祖父母の家に兄とともに滞在している。
祖母ハルの勧めで、近くの山にある祠に兄とお参りに出かけると、その道中、
森の中に広がる池の前にしゃがみ込む、華奢な金髪の少女と出会う。
無表情で「自分の名前を知らない」「死にたい」とつぶやく少女を晴は説得。
一週間だけ生きてみることにした少女をセミちゃんと名付けて友達になろうとする。
しかし、セミちゃんの姿をを見ることができるのは晴だけで、兄らはまったく見えないという。
記憶がまったくないようすのセミちゃんを放っておけない晴は、
祖父母の家に招いて一緒に暮らし、寄り添うことにするが――!?
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あの日の交換日記
「交換日記」をテーマにした7本の短編から構成される1冊。繊細で緻密な仕掛けが随所に施されており、それらの真実が明かされる終盤は読む手が止まらなくなった。
あらすじ
「辻堂ミステリの最高傑作であり真骨頂。
本書で秘密を解くのは探偵ではない。読者である」先生、聞いて。私は人殺しになります。お願いだから、じゃましないでね?(「教師と児童」)
わたしだって本当の気持ちを書くからね。ずっと前から、ムカついてた。(「姉と妹」)嘘、殺人予告、そしてとある告白……。
大切な人のために綴られた七冊の交換日記。そこに秘められた、驚きの真実と感動とは?
――この緻密な仕掛けを、是非読み解いてください。
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新世界より
千年後の日本を舞台とした超重厚なダークファンタジー作品。読了後にアニメ版の「偽りの神に抗え。」というキャッチコピーを見るとゾクッとくる。
あらすじ
1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。 (講談社文庫)
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11文字の檻
青崎先生に対する評価が更に跳ね上がった1冊。11文字のプロパガンダを当てないと出られない「11文字の檻」と最強殺し屋姉妹の百合を味わえる「恋澤姉妹」が好き。
あらすじ
『体育館の殺人』の衝撃のデビューから10年。“平成のエラリー・クイーン”と称された青崎有吾は、短編の書き手としても高い評価を獲得し、作品の幅を広げ続けている。JR福知山線脱線事故を題材にした人間ドラマ「加速してゆく」、全面ガラス張りの屋敷で起きた不可能殺人の顚末「噤ヶ森の硝子屋敷」、観測不能な最強の姉妹を追う女たちの旅路「恋澤姉妹」、奇妙な刑務所に囚われた男たちの知力を尽くした挑戦を描く力作書き下ろし「11文字の檻」に、人気コミックのトリビュート作やショートショートまで、10年の昇華である全8編を収録。
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さくらのまち
三秋先生6年ぶりの書き下ろし新作小説。中学の読書感想文を『三日間の幸福』で書いた人間なので本当に楽しみにしてた。痛くて切なかったけど、やっぱたまらんかった。
あらすじ
二度と戻らないつもりでいた桜の町に彼を引き戻したのは、一本の電話だった。
「高砂澄香が自殺しました」澄香――それは彼の青春を彩る少女の名で、彼の心を欺いた少女の名で、彼の故郷を桜の町に変えてしまった少女の名だ。
澄香の死を確かめるべく桜の町に舞い戻った彼は、かつての澄香と瓜二つの分身と出会う。
あの頃と同じことが繰り返されようとしている、と彼は思う。
ただしあの頃と異なるのは、彼が欺く側で、彼女が欺かれる側だということだ。人の「本当」が見えなくなった現代の、痛く、悲しい罪を描く、圧巻の青春ミステリー!
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10月
失はれる物語
評価の高い〈白乙一〉が多数収録されている珠玉の短編集。小学生の時から好きだった「Calling You」と「傷」を読んだとき、懐かしさと切なさで泣いてしまった。
あらすじ
目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見たて、日々の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが……。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし「ウソカノ」の2作を初収録。
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アルバトロスは羽ばたかない
『七つの海を照らす星』の続編であり、七海学園で起きた「屋上からの転落事故」の謎を追う本格ミステリ。すべての真相が明かされる、あのラストの衝撃は唯一無二。
あらすじ
海を望む街に建つ児童養護施設・七海学園に勤めて三年目となる保育士の北沢春菜は、毎日多忙な仕事に追われつつも、学園の日常に起きるささやかながら不可思議な事件の解明に励んでいた。そんな慌ただしくも幸せな日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。警察の見解通り、これは単なる不慮の事故なのか? だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子どもたちに関わる四つの事件に、意外な真相に繫がる重要な手がかりが隠されていた――鮎川哲也賞受賞作『七つの海を照らす星』に続く清新な本格ミステリ。
解説=千街晶之
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彗星を追うヴァンパイア
「学問」をテーマとした傑作。未知を愛した科学者の青年と人を愛した怪物の歩んだ軌跡を是非見届けてほしい。今年読んだ全ての本の中でも3番目に好きだった作品。
あらすじ
未知を愛した青年、人間を信じた怪物。
魔術が終わる時代に、ふたりは戦場で出会った。
17世紀、イングランド。母と暮らした幼い頃から、オスカーの願いは〈世界のルールを解き明かす〉ことだった。数学の才を持つ彼は、ケンブリッジ大学でニュートンに師事する。けれど、王位継承を巡る反乱が勃発し、戦場へ。窮地に陥った彼の命を救ったのは、人知を超えた力を操る謎の男、アズ・テイルズだった。物理法則に従わない未知の存在を解き明かそうとするオスカーと、自分が解き明かされる日を待ち続けるアズ。ふたりの出会いが、人類の〈科学〉と〈戦争〉の歴史を動かす。
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笑う森
表紙やあらすじとは裏腹に、心温まるハートフルストーリーだったので良い意味で裏切られた。ASDである5歳の男の子(主人公)がとにかくいい子で可愛い。
あらすじ
5歳の男児が神森で行方不明になった。同じ一週間、4人の男女も森に迷い込んでいた。
拭えない罪を背負う彼らの真実と贖罪。
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魔女と過ごした七日間
『ラプラスの魔女』『魔力の胎動』に次ぐ3作目。「ラプラスの魔女」である円華の成長した姿も描かれ、奔放だけど頼れる美しき女性となっていたのが印象的だった。
あらすじ
その夏、信じられないことばかり起きた。「ラプラスの魔女」シリーズ!
AIによる監視システムが強化された日本。
指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事が殺された。
「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」
不思議な女性・円華に導かれ、父を亡くした少年の冒険が始まる。少年の冒険×警察ミステリ×空想科学
記念すべき著作100作目、圧巻の傑作誕生!
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成瀬は信じた道をいく
本屋大賞受賞作である『成瀬は天下を取りにいく』の続編。相変わらず本当に読みやすくて面白い。小中学生の子供がいたら「天下~」と合わせて真っ先に読ませたい。
あらすじ
成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。
「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー(をやめたい)主婦、観光大使になるべくしてなった女子大生……。
個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?
面白さ、ますますパワーアップの全5篇!
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青の炎
今年は貴志祐介先生の本を11冊読んだのだが、その中で1番好きだった作品。やるせなさがもう本当にね……。今年読んだすべての本の中でも4番目に好きだった。
あらすじ
櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。
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11月
屍人荘の殺人
本格ミステリとしてもパニックホラーとしても完成度の高い1冊。序盤から波乱万丈な展開が続き、物語がどう着地するのか最後までまったくわからなかった。
あらすじ
紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通う探偵少女、剣崎比留子とともに曰くつきの映画研究部の夏合宿に参加することに。合宿初日の夜、彼らは想像だにしなかった事態に遭遇し、宿泊先の紫湛荘に立て籠りを余儀なくされる。全員が死ぬか生きるかの極限状況のもと、映研の一人が密室で惨殺死体となって発見されるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。――たった一時間半で世界は一変した。究極の絶望の淵で、探偵たちは生き残り謎を解き明かせるのか?! 予測不可能な奇想と破格の謎解きが見事に融合する、第27回鮎川哲也賞受賞作。
解説=有栖川有栖
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六人の噓つきな大学生
「就活」をテーマにしたミステリ作品。俺も去年は彼らと同じく就活を行っていたため、胸が痛くなりながら最後まで読んだ。就活を控えている方に特におすすめの1冊。
あらすじ
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。
怒濤の伏線回収に驚嘆の声続出! 青春ミステリの傑作が、ついに文庫化!
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爆弾
冴えない見た目の中年男でありながら、話術と頭の回転がずば抜けている「スズキタゴサク」がとにかく不気味。佐藤二朗さんと菅田将暉さん主演で映画化してほしい。
あらすじ
東京中に爆弾。怪物級ミステリ-!
自称・スズキタゴサク。
取調室に捕らわれた冴えない男が、
突如「十時に爆発があります」と予言した。直後、秋葉原の廃ビルが爆発。
爆破は三度、続くと言う。ただの“霊感”だと嘯くタゴサクに、
警視庁特殊犯係の類家は情報を引き出すべく知能戦を挑む。炎上する東京。拡散する悪意を前に、正義は守れるか。
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[映]アムリタ
野崎まど新装版シリーズの1冊目。読了後に受けたダメージは今年一。この文を書いている今もまだ苦しい。ただ今年読んだすべての本の中でも5番目に好きだった作品。
あらすじ
芸大の映画サークルに所属する二見遭一は、天才とうわさ名高い新入生・最原最早がメガホンを取る自主制作映画に参加する。
だが「それ」は“ただの映画”では、なかった――。
TVアニメ『正解するカド』、『バビロン』、劇場アニメ『HELLO WORLD』で脚本を手掛ける鬼才・野崎まどの作家デビュー作にして、電撃小説大賞にて《メディアワークス文庫賞》を初受賞した伝説の作品が新装版で登場!
貴方の読書体験の、新たな「まど」が開かれる1冊!
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2
2連続野崎まど先生。[映]アムリタから始まる野崎まど新装版シリーズの6冊目であり最終巻。今まで描かれてきた全く違う5冊の物語がここですべて繋がる。脱帽。
あらすじ
日本一の超劇団『パンドラ』の入団試験を乗り越えた青年・数多一人。しかし、夢見たその劇団は、ある一人の女性によって《壊滅》した。
彼女は言った。
「映画に出ませんか?」と。
言われるがまま数多は、彼女と二人きりでの創作をスタートする。
彼女が創る映画とは。
そして彼女が、その先に見出そうとするものとは……。
『創作』の限界と「その先」に迫る野崎まど新装版シリーズ・最終章!!
『2』が、全てを司る。
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小説
3連続野崎まど先生。「小説とは」ただその一点を突き詰めた小説。本屋が大好きな人種にはとにかく刺さる。装丁がキラキラしてて最高なので紙で買うのがおすすめ。
あらすじ
我々は、なぜ小説を読むのか。
五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。
複雑な人間の昇華体であり、人の心を掴んで離さない、人の心が作り出した物語の結晶。
そこには望むもののすべてがあった。
十二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会う。二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。
そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。
しかし、その屋敷にはある秘密があった。
小説を書くことで失われる世界の均衡、読むことで広がる無限の心。宇宙最高の愉悦のすべてが、今明らかになる。
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悪の教典
夜の学校で行われた凶悪で凄惨な大殺戮を‟それを行ったサイコパス側”から描いたサイコホラー作品。ここまで主人公に感情移入したくない物語は初めて。地獄。
あらすじ
晨光(しんこう)学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇なく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムにサイコパスが紛れこんだとき──。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。
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安達としまむら
陰鬱な作品ばっか読んでる俺の前に現れたオアシス。百合ラブコメがいかに素晴らしいかを問答無用でわからせられた。最新刊まで読んでしまったので早く続きをくれ。
あらすじ
体育館の二階。ここが私たちのお決まりの場所だ。今は授業中。当然、こんなとこで授業なんかやっていない。 ここで、私としまむらは友達になった。好きなテレビ番組や料理のことを話したり、たまに卓球したり。友情なんてものを育んだ。 頭を壁に当てたまま、私は小さく息を吐く。 なんだろうこの気持ち。昨日、しまむらとキスをする夢を見た。 別に私はそういうあれじゃないのだ。しまむらだってきっと違う。念を押すようだけど、私はそういうあれじゃない。 ただ、しまむらが友達という言葉を聞いて、私を最初に思い浮かべてほしい。ただ、それだけ。
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月の白さを知りてまどろむ 3
最終巻。同作者様のアンメモ3巻を知っているので、どうなる!?どうなる!?とひやひやしながら最後まで読み進めた。少し読むのが遅れたが、最後まで追えて満足。
あらすじ(1,2巻の微ネタバレ注意)
「あなたが、私の恋の全て」
人と神との約定、その行く末は――異類婚姻譚、完結編!三つの神供――美酒と芸楽と人肌を神に捧げてきた享楽街アイリーデ。
古来、国家間の争いとは距離を置いてきたその街にも、大陸全土に漂う戦雲が影響を及ぼし始めていた。
華やかな街の陰で、さまざまな勢力の思惑が交錯する中、シシュはサァリと彼女が愛する街を守りきるため奮戦する。そしてサァリは、ついに生涯ただ一度の客取りを行うことを決意するが――!? 定められた運命を超え、神話と人を巡る物語が行き着く結末とは? 異類婚姻譚完結編、完全書き下ろしの後日譚を百ページ以上収録して登場!
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12月
禁忌の子
現役医師の描く本格医療ミステリ。「自らと瓜二つの溺死体が搬送されてくる」というキャッチーな冒頭で一気に物語に引き込まれた。今後まだまだ話題になりそうな1冊。
あらすじ
救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第34回鮎川哲也賞受賞作。
第34回鮎川哲也賞選考経過、選評=青崎有吾 東川篤哉 麻耶雄嵩
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レーエンデ国物語
これぞハイファンタジー作品!と手を叩きたくなった1冊。初めてファンタジー小説を読んだ時の、あの無限のワクワク感をまた味わうことができた。表紙も本当に好き。
あらすじ
毛布にくるまって読みふけった
あの頃のあなたへ――家を抜け出して、少女は銀霧が舞う森へと旅に出た。
こんなファンタジーを待っていた!ーーー
異なる世界、西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国。
母を失った領主の娘・ユリアは、結婚と淑やかさのみを求める親族から逃げ出すように冒険の旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタン。
空を舞う泡虫、琥珀色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。ユリアはレーエンデに魅了され、森の民と暮らし始める。はじめての友達をつくり、はじめて仕事をし、はじめての恋を経て、親族の駒でしかなかった少女は、やがて帰るべき場所を得た。
時を同じくして、建国の始祖の予言書が争乱を引き起こす。レーエンデを守るため、ユリアは帝国の存立を揺るがす戦いの渦中へと足を踏み入れる。
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推しはまだ生きているか
ディストピア多めのちょっぴりダークなSF短編集。どのお話もかなり完成度が高くて良き。個人的に好きなのは「完全努力主義社会」と「福祉兵器309」の2本。
あらすじ
荒廃した東京で過酷なシェルター暮らしを送るあみぱん。唯一の「推し」、ポストアポカリプス系アイドルの節目おわたが配信画面から消えた日、彼女は凸ることを決意した。愛の正体を暴き出す挑戦的な“推し×ロードSF”「推しはまだ生きているか」。
29歳、タワマンとハリー・ウィンストンを夢見る藍子。ある時、謎の生命体に寄生されてから状況は一変し、ついに婚活ゴール男(港区在住、年収1000万円超、塩顔イケメンの細マッチョ)とマッチングするが……。“選ばれたい”願望の先を描く婚活SF譚「君のための淘汰」。
惑星「王球」では、人は老いれば必ず異形の怪物《老骸》と化す。老骸を殲滅する使命を担う「福祉兵器」円狗は、ある村の老骸殲滅作戦で唯一生き残った少女から「わたしのクロージング・プランに付き合ってほしい」と頼まれて――。命を巡る絶望と希望の行方を描き出す「福祉兵器309」。
ほか全5編を収録。最注目の新鋭が、ディストピア都市を舞台に“それでも生きていくこと”への祈りを込めて贈るSF短編集。
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入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください
「表面上はフレンドリーだけどその裏で何を考えてるか全くわからない化け物」が好きな人は絶対好きだと思う。個人的に今最も読んでほしい怪異ホラー作品。
あらすじ
『今すぐ人生がどうにかなってもいい人募集中!』web発・日常侵食ホラー
実母のせいで貯金も住処も失ったタカヒロは、住み込みでマンションの一室を管理する仕事の求人を見つける。
雇用の条件は『隣人と必ず仲良くすること』。
他に行き場のないタカヒロはマンションに流れ着くが、待っていたのは明らかに人間ではない『隣人』だった。
「これは友達から聞いた話なんだけどね」
すでに23人が逃げ出したらしい部屋で、タカヒロはベランダ越しに怪談好きの隣人の話を聞くことに。
返答一つ間違えられない緊迫感の中、架空かと思われた怪談の内容は次第にタカヒロを取り巻く現実とリンクしていき――。
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死んだ山田と教室
飲酒運転の車に轢かれて死亡し、学校のスピーカーに憑依してしまった山田の物語。序盤と終盤の温度差がすごい。なかなかに切なく悲しい1冊だったが、紛れもない良作。
あらすじ
夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。
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火車
12月31日、2024年最後に読んだ1冊。‟読者に想像させる”のが巧すぎる。たしかにこれはすごい。テーマなども含めて30年以上前に刊行されたのが信じられない。
あらすじ
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
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最後までご覧くださりありがとうございました!こうして見ると2024年はこんなにたくさんの面白い本を読むことができたんですね……!2025年もたくさんの良作に出会えるよう、いっぱい本を読んでいきたいと思います!本年もまたよろしくお願いいたします!