皆さんこんにちは、リュウです。
学生から社会人となり、環境の変化が非常に激しかったものの、2024年上半期には170冊の本を読むことができました。
そこで今回はその中から各部門ごとに10冊ずつ、計30冊の本を紹介していこうと思います!
どれも大好きな作品ですので、最後まで読んでいただけると嬉しいです…!
※以下書影をタップすればBook☆Walkerのページに飛びます。
新作ライトノベル部門
まずは皆さんが一番知りたいであろう新作ラノベ10選です。
2024年上半期に1巻が発売されたライトノベルの中から、個人的に好きだった10作を紹介します!順位を付けるランキング記事ではないので、読んだ順に紹介していきます!
1作目:『ほうかごがかり』
あらすじ
甲田学人、完全新作!! ぼくらは命を賭けて、『奴ら』を 記録する――。
よる十二時のチャイムが鳴ると、ぼくらは「ほうかご」にとらわれる。
そこには正解もゴールもクリアもなくて。
ただ、ぼくたちの死体が積み上げられている。ある日、小学生の二森啓は、教室の黒板に突如として自分の名前が『ほうかごがかり』という謎の言葉と共に書かれたのを目撃し……。
Amazonより引用
「ほうかご」と呼ばれる異様な学校で、命を賭して化け物たちを記録し抑える、少年少女たちの“真夜中のメルヘン”、解禁。
毎週金曜日の真夜中、強制的に学校に呼び出され、己が担当する「ほうかごの怪異」と対峙させられる“かかり”達。
小学5,6年生という幼い彼等に課せられた、過酷すぎる使命と運命に心が揺さぶられました。
怪異に立ち向かう者もいれば、逃げ出す者もいる真夜中の学校。
どんな人間にも均等に地獄を見せてくる最悪の「ほうかご」を舞台に、甲田先生持ち味のエグめの展開とグロ描写が存分に発揮されていた作品でした。
ホラーにゾクゾクしたい人、グロに耐性がある人におすすめの1冊です。
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2作目:『毎晩ちゅーしてデレる吸血鬼のお姫様』
あらすじ
「あなたの血がもっと美味しくなるように私がお世話してあげるのです!」
Amazonより引用
吸血鬼なのに血が苦手なお姫様は、なぜか僕の血で酔いデレる!?
「ねえ、しろー……ちゅーしていいですか?」
普通の青春を送るため上京してきた紅月史郎は学校の帰り道、吸血鬼のテトラと出会う。
人間離れした美しさとスタイルを持つ彼女だが、実は吸血鬼なのに血が苦手だという。
史郎は新鮮な血でないと飲めないというテトラの空腹を満たすため血を差し出す。
「そこまで言うなら味見してあげなくもないのですよ?」と言いながらひと口飲むと次第に表情がとろけだし――?
「しろーの、もっと欲しいです……」
なぜか史郎の血と相性が良すぎて依存してしまいテトラの好意がだだ漏れに!?
毎晩ちゅーをせがむ吸血鬼のお姫様とのデレ甘ラブコメ!!
今回もヒロインは銀髪赤目ロリですねw(岩柄先生の性癖がようわかる)
吸血鬼の女の子と人間の男の子のちょっと危ない日常を描くラブコメ作品で、ノンストレスで楽しめる非常に甘々な1冊です。
糖分マシマシ砂糖過多な作品は疲れた心に沁みるんですよねぇ…。
人間を信用しないお姫様なヒロインが唯一心を開く人間は、主人公ただ1人。
ちょっぴりエッチなラブコメ、甘々なラブコメが読みたい人におすすめです。
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3作目:『亜人の末姫皇女はいかにして王座を簒奪したか』
あらすじ
人間と亜人による聖戦。――英雄たちの生と死を、いま語ろう。
そこは「神別れの山脈」によって二分される大陸。東に人間が属するワウリ界、亜人が属するネクル界。長きにわたって断絶していた両者だったが、ある頃より“聖戦”を掲げた軍事侵攻によって衝突が繰り広げられる。そして多くの戦士たちが戦火の中で活躍し、非業の死を遂げていった。
Amazonより引用
“聖戦”の初期戦端を切り開いた、竜騎兵バラド。最強の暗殺者として恐れられ、人間軍の侵攻を押しとどめた猫人ニャメ。歴史に残る一騎打ちで知られる人間軍の筆頭戦士ニモルドと、亜人軍の武者・犬人ニスリーン。歴史を揺るがした将軍、冒険家、発明家、大神官や、戦火に引き裂かれた恋人たち。そしてたった一人の反乱軍から皇帝にまで上り詰めた亜人の姫・イリミアーシェ。複雑に絡み合う運命の中で、やがて星座として祀り上げられる英雄たちの生と死とともに人間と亜人の歴史を描く、一大叙事詩。
一章ごとに主人公が変わり、人間側の英雄と亜人側の英雄が交互に登場する、どちらの陣営にも感情移入してしまうような構成になっていたのが素晴らしかったです。
雄大な世界で紡がれる壮大な神話物語。
数多の英雄の生と死は非常に激しい昂揚感をもたらしてくれました。
物語的にもページ数的にも、ここまで読み応えたっぷりな単巻完結作品はなかなかありません。
重厚なファンタジーに浸りたい方におすすめの1冊です。
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4作目:『神様のいるこの世界で、獣はヒトの夢を見る』
あらすじ
神の差配により、罪を犯した者は身体の一部が異形化させられてしまう世界。生まれながらに身体に変異をもつ原罪種として、罪人を捕らえ裁く治安維持組織の職に就く主人公ヨシュアは、みなし子の女の子カナンと共同生活を始める。しかしこれをきっかけに、ヨシュアは避けがたい運命の波に飲み込まれていく。
Amazonより引用
数年後、成長したカナンは王政打倒を掲げる革命軍に所属することに。革命軍を率いる女性ノアとカナンの友情とその蹉跌、そして暴かれる神の真実。運命に翻弄されながらも真実のために起ち上がった人間たちの戦いは、壮絶なクライマックスへと向かう。
生まれながらにして身体が異形化している青年・ヨシュアと、罪を犯しても身体が異形化しない少女・カナンの物語。
先程紹介した『亜人の末姫皇女』と同じく、超高カロリーなファンタジー作品。
ただしこちらはファンタジーの前に「ダーク」が付きますけどね。
青年ヨシュアと少女カナンの出会いをキッカケに、世界の真実が徐々に明かされていく物語構成はとてもワクワクしました。
大切な者のために異形化した身体を使って戦い続けるヨシュアがとにかくカッコいいんですよねぇ。
濃密なダークファンタジーを味わいたい方におすすめの1冊です。
そしてこの本を気に入った方は是非紺野先生の前作、『奇世界トラバース』もよろしくお願いします…!
『神様のいるこの世界』と同じく超傑作なので何卒…!
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5作目:『追放された商人は金の力で世界を救う』
あらすじ
※電子版は書き下ろしショートストーリー
『ブルーリングの事情』など4本の特別付録つきです。勇者亡き後、世界を救うのはーー金!?
金にモノを言わせた商人の非人道的 魔王討伐が始まるーー!!Sランク冒険パーティーの一員でありながら、不人気職“商人”のトラオ。
戦力として微妙な上に、金の使い込みがバレて「おまえはクビだ!」
とパーティーを追放されてしまう。
仕方なく金の使い込み先だった女子達と組んで
魔王討伐を目指すトラオだが、その初仕事はなんと
全滅した旧パーティーの遺体から装備を回収するというもので……!?「関係ないよ。もう仲間でも何でもないないんだから」。
「ずっと仲間だと思っていた」と言われても、今さら遅い――。大ヒットシリーズ『誰が勇者を殺したか』の著者が仕掛ける
Amazonより引用
テンプレからの逸脱と裏切りの物語。
『だれゆう』も『モン肉』も大好きだったので期待値MAXで読み始めましたけど、その期待を超える最高の追放ファンタジー作品でした。
生粋の効率厨であり、倫理観を母親の腹の中に置いてきたような性格のトラオ。
彼の魔王討伐RTAはテンポ良すぎて正直笑いましたけど、本作の1番の肝は魔王討伐“後”なんですよね。
ネタバレになっちゃうので詳しいことは書きませんけど、僕はボロ泣きしました。
やっぱ駄犬先生の文章と物語構成は本当に巧いんですよね。
感情の揺さぶり方が天才的としか言いようがないです。
笑って泣けるファンタジー作品が読みたい方におすすめの1冊です。
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6作目:『少女星間漂流記』
あらすじ
ふたりぼっち、安住の星を探し求めて宇宙旅行。
「次こそ住める星だといいな」
Amazonより引用
馬車が銀河を駆けている。馬車を模した宇宙船が。乗っているのは、この風変わりな宇宙船を造った科学者・リドリーと、相棒の内気な少女・ワタリ。環境汚染で住めなくなった地球を後にして、二人は馬車を走らせる。目指すは、地球に代わる安住の星!
けれど、二人が訪れるのはどれも風変わりな星ばかり……。死者を生き返らせることができるという神のいる星、運が良い人間ほど偉いとされる星、無数の図書館から成る星……変わった星々に、少女たちは翻弄されながらも強く生き延び、楽しみ、そしてまた別の星へ。
二人は今日も、広い宇宙を旅している。
2人の少女が安住の地を求め、馬車型の宇宙船で不思議な星々を巡るSF連作短編集。
デビュー作の『竜殺しのブリュンヒルド』とは毛色が全然違う作品でしたけど、こちらもすっごく良かったですね。
2人が辿り着く星々はどれも千差万別で、怖い星もあれば優しい星もある。
様々な星々で様々な困難に遭遇する2人ですけど、その度に自身の能力と相手の能力を信じて危機を脱していくのが、2人の強固な絆を感じられてとても好きでした。
連作短編なので非常に読みやすいですし、2巻の発売も既に決定しています。
SFロードムービーが好きな方におすすめの1冊です。
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7作目:『この物語を君に捧ぐ』
あらすじ
「あなたの担当編集をさせてください、柊先輩」
ある日、無気力な男子高校生・柊悠人の前に現れた自称編集者の女子高生・夏目琴葉。
彼女は悠人に小説を書いてほしいと付きまとってくる。いくら断られても、決して諦めずに。
……まさか、知られたのか? 自分がかつて、世間から天才だともてはやされたプロの小説家だったことを。その過去から逃げるため、知り合いもいない地方の高校にやってきたというのに。筆を折った元天才小説家と、ある”重大な秘密”を抱えた編集者女子高生が紡ぐ、感動必至の青春ストーリー、ここに開幕――。
※電子版には特典として、森日向先生書き下ろしSSが収録されています。
Amazonより引用
こちらも前作の『浮遊世界のエアロノーツ』とは全然違うタイプの作品でしたけど、最涼の読了感を与えてくれる最高の1冊でした。
先の展開は読めるんです。
読めるんですけどそれでもボロボロ泣かされてしまいましたね。
今年発売の新作の中では1番泣いたんじゃないかなぁ…。
タイトルも表紙イラストも本当に素敵で、絶対外で読んじゃダメなタイプだとわかってたんですけど、それでも外で読んで泣いてしました笑
2人の天才高校生が「物語」によって織りなす、最高の青春を是非多くの方に味わってほしいです。
泣ける小説を求めている方におすすめの1冊です。
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8作目:『コドクな彼女』
あらすじ
大学生・叶のもとに、転がり込んできた正体不明の少女。
Amazonより引用
そのただならぬ気配に、身の危険まで感じる叶。
だが相対した彼女から紡がれたのは、悲痛で、弱々しい叫びだった。
「独りは……いや、です。一緒に、いて」
この言葉をきっかけに、叶は少女を迎え入れ、奇妙な同棲生活が始まる。
「赤瀬奈紺」と名付けられた少女は、孤独のない居場所を叶の隣に見出すのだが…
ごく普通の大学生である主人公・叶と正体不明の謎の少女・奈紺が出会うところから始まる物語。
たどたどしい喋り方をし、世界のことをあまりにも知らなすぎる奈紺。
常人とは何処かが違う、何かがズレている彼女の言動と存在感に、初めから非常にゾクゾクさせられました。
“コドクな彼女”というタイトルも巧いんですよね。
短いながらも作品の肝となる部分をしっかり表していて、読み終えてからこのタイトルを見ると、もうこれしかない!と思わせてくれます。
正体不明の謎の少女・奈紺と出会ったことにより危うい世界に足を踏み入れることになった叶。
それでもその世界から逃げることなく、最後まで奈紺の側にいることを決めた叶の覚悟に惚れました。
少しオカルトチックな作品を読みたい方におすすめの1冊です。
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9作目:『バケモノのきみに告ぐ、』
あらすじ
バケモノに恋をしたこと、きみにはあるか? 或る少年の追想と告白。
城壁都市バルディウム、ここはどこかの薄暗い部屋。
少年・ノーマンは拘束されていた。
どうやら俺はこれから尋問されるらしい。語るのは、感情を力に換える異能者《アンロウ》について。
そして、『涙花』『魔犬』『宝石』『妖精』。名を冠した4人の美しき少女とバケモノに立ち向かった想い出。「とっとと倒して、ノーマン君。帰ってイチャイチャしましょう」
「……いや、君にも頑張ってほしいんだけど?」全くやる気のない最強で最凶な彼女たちの欲望を満たし、街で起こる怪事件を秘密裏に処理すること。
これこそが俺の真なる使命――――のはずだった。だが、いまや俺はバルディウムを混乱に陥れた大罪人。
魔法も、奇跡も、幻想も。この街では許されないようだ。
でも、希望はある。どうしてかって?――この〈告白〉を聞けばわかるさ。
第30回電撃小説大賞最終選考会に波紋を呼んだ、異色の伝奇×追想録。
Amazonより引用
ラスト、世界の均衡を揺るがす少年の或る〈告白〉とは――。
4人のヒロインズに一方的で独善的な愛を向けられる作品かと思っていたら、最後にドチャクソでかい「愛」で押し返すのが最高でした。
異能を持つヒロインと犯罪者の激しい異能バトルも見どころですけど、常に落ち着いている主人公と彼を愛しているヒロインのちょっとおかしなやりとりも面白いんですよね。
どのヒロインにもメイン回があって、満遍なく彼女達の魅力がアピールされていたので、最後まで一切飽きることなく楽しむことができました。
デビュー作として高い完成度を誇っていたので、続巻・次回作共に楽しみです。
個性的なヒロインが多数登場する異能バトルファンタジーが読みたい方におすすめの1冊です。
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10作目:『やがて英雄になる最強主人公に転生したけど、僕には荷が重かったようです』
あらすじ
主人公補正ゼロ、それでも僕は英雄を志す――!
第8回カクヨムWeb小説コンテスト カクヨムプロ作家部門 特別賞受賞!
王道RPGの主人公ルークに、とあるゲームオタクが転生した。
Amazonより引用
才能に恵まれ、予習も完璧、のはずだったのに。
チュートリアルで、幼馴染の本命ヒロインを守りきれなかった。
この世界ではご都合主義は起きない。
それでも、とルークは誓う。
必ず英雄になって、世界を救ってみせる!
本来の自分を隠し、ルークの冒険をなぞり始めた彼に、
仲間たちは原作とは違う反応を示していき――?
英雄になる使命を負った少年の偽りの英雄譚、開幕。
「お前は何のために本を読む?」と問われれば「こういう本に出会うため」と答えるくらい好きな作品でした。
「全てを救える英雄」に転生してしまったせいで、「全てを救わねばならない」という強迫観念に襲われるようになってしまった主人公。
たった1人の犠牲も出さなかったゲームのストーリーを再現しようと、自らの心と本音を押し殺してただただ「最強」を演じる主人公の生き方があまりにも辛すぎました。
だからこそそんな主人公の本音を知り、そばに寄り添ってくれる相棒のサラマンダーちゃんの存在に読者は救われるんですよね…。
かつてやってしまった失敗を2度としないため、「辛い」「痛い」「逃げたい」という思いを抱きつつも、他人の前では「頼り甲斐のある最強の好青年」を演じ続ける主人公。
彼の生き様を最後まで見届けるためにも、この物語は絶対に追い続けます。
ダークファンタジーが好きな方におすすめの1冊です。
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以上が新作ライトノベル部門の10選でした!
次はそれ以外のラノベから、上半期に読んだ最高の10冊を選出します!
そこそこ昔の作品も入りますが温かい目で見てください!
新作以外のライトノベル部門
1作目:『異修羅 Ⅵ』
あらすじ
冬のルクノカに敗れ、地の底へ堕ちた星馳せアルス。
――だが彼は生きていた。
アルスは半身を機械に変えてなお、さらなる財宝を求め黄都を襲撃する。
無限の形をとる泥。敵を自動追尾し焼き尽くす炎。あらゆる攻撃を無効化する盾。無数の魔具が破壊の限りを尽くす。約定に従い、これを討つべく逸脱の修羅たちが結集するとき――都市は炎上し、屍山血河の光景が広がる。
全員が最強、全員が英雄、一人だけが勇者。シリーズ最大級の乱戦が幕を開ける。
Amazonより引用
毎巻毎巻はちゃめちゃに面白い『異修羅』ですけど、中でもこの6巻は全てが桁違いでした。
星馳せアルスというたった1体の「最強」を討つべく、一時的に協力する数多の修羅達。
僕の推しはずっと静かに歌うナスティークと通り禍のクゼだったんですけど、アルスとハルゲントの話で涙腺が崩壊しちゃいました……。
アニメでは2期も決定し、原作はずっとずーっと面白い『異修羅』
バトルファンタジーが好きな方におすすめの作品です。
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2作目:『TS衛生兵さんの戦場日記』
あらすじ
ファンタジーの世界でも戦争は泥臭く醜いものでした
トウリ・ノエル二等衛生兵。彼女は回復魔法への適性を見出され、生まれ育った孤児院への資金援助のため軍に志願した。しかし魔法の訓練も受けないまま、トウリは最も過酷な戦闘が繰り広げられている「西部戦線」の突撃部隊へと配属されてしまう。彼女に与えられた任務は戦線のエースであるガーバックの専属衛生兵となり、絶対に彼を死なせないようにすること。けれど最強の兵士と名高いガーバックは部下を見殺しにしてでも戦果を上げる最低の指揮官でもあった! 理不尽な命令と暴力の前にトウリは日々疲弊していく。それでも彼女はただ生き残るために奮闘するのだが――。
Amazonより引用
あまりにも救いという救いがなく、地獄のような気分で読み進めました。
でも面白いんですよねぇ…。
人を回復させることができる衛生兵。
しかしその役目は「指揮官を絶対に死なせないこと」であるため、指揮官の許可が出なければ目の前で友人が死にかけていても見殺しにしなくてはならない。
悲惨・悲壮・悲劇的な1冊ですけど、それでもこの物語から目を離すことができませんでした。
「次にくるライトノベル大賞」単行本部門1位の実力は本物です。
ダークな戦記ものを読みたい方におすすめの作品です。
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3作目:『モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件』
あらすじ
ファルーン王国の第一王子であるマルスは、12歳ながら暗殺に怯える日々を過ごしていた。
Amazonより引用
食事には高確率で毒が仕込まれているため、城外の森でモンスターを狩り、その肉を食べて飢えをしのぐ日々。
そんなマルスの前にある夜、大剣を担いだ赤髪の美女が現れ告げる。
「おまえ、見込みがあるな。私の弟子になれ」。
たった一つの勘違いから、少年は(全く望んでないのに)最強の王へと成り上がる――。
投稿小説全ての書籍化が瞬く間に決まった驚異の新人、衝撃の2作同時デビュー!
結構コメディチックな無双ファンタジー作品で、主人公とその部下の意志が絶妙にすれ違う展開がとても面白かったです。
ストレスなくスラスラ読み進められるタイプの作品ですので、ライトノベルをあまり読んだことがない人にも楽しんでいただけると思います。
主人公無双系のファンタジー作品が好きな方におすすめの作品です。
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4作目:『魔王都市 2』
あらすじ
今宵、死者と共に伝説が蘇る。
魔王都市内で派出騎士の変死事件が発生。
その陰で蠢くのは、偽造聖剣の製造元でもある≪致命者≫と呼ばれる謎の組織であった。
≪致命者≫の痕跡を追うキードとアルサリサだったが、アルサリサの捜査を危険視した人類司法機関・不滅工房は魔王都市に調整官フォレーク・イズニェルを派遣。彼によって捜査線は歪められ、無実の魔族達が容疑者にされてしまう。正義の名の下に、正しい裁きを遂行しようとするアルサリサ。
仁義の名の下に、法に背いてでもはぐれ魔族を救おうとすうキード。両者の思惑はすれ違い、ふたりは別々に捜査をすることに。
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過去に消えた亡霊と、底知れぬ陰謀が襲いくるなか、アルサリサとキードは騎士殺しの犯人に辿り着くことが出来るのか。そして、≪致命者≫の正体とは――世界破滅級クライムサスペンス第二幕。
「このライトノベルがすごい!2024」で1位に選出するくらい1巻が大好きだったんですけど、2巻もやっぱり面白かったですね。
規則に対して真面目すぎる少女・アルサリサの成長が描かれた第2巻であり、彼女のことがもっともっと好きになる巻でした。
バディもののクライムファンタジーはジャンル自体が本当に大好きなんですけど、それに加えて『魔王都市』は世界観もキャラクター造形も大好きなので本当に僕好みの作品なんですよね。
正反対な性格の男女がバディを組んでお互いの弱点を埋める、そんな設定が好きな方におすすめの作品です。
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5作目:『狼と羊皮紙 X』
あらすじ
囚われた仲間を救うため、月を狩る熊の伝説が眠る傭兵王の下へ向かう――!
Amazonより引用
エシュタットを騒がせた“薄明の枢機卿”を騙る偽者を成敗し、身に余るふたつ名を背負う覚悟を決めたコル。傍らに並び立つ、人呼んで太陽の聖女・ミューリもどこか誇らしげな様子。
公会議に向けた準備も大詰めのところ、二人の下にエーブの部下で羊の化身・イレニアが投獄されたとの報せが届く。
しかも投獄先は山岳都市ウーバン、七人の選帝侯のうちの一人、傭兵王を名乗るデュラン選帝侯が治める要害の地。
姉と慕う彼女の窮地を救わんと鼻息荒いミューリは、早速イレニアを助けに行こうと計画を練るが、どうやらイレニアは選帝侯お抱えの天文学者を誘拐した罪に問われていて――。
「人ならざるものの力を借りるか」「月を狩る熊」など『狼と香辛料』の時から示されていた悩みや謎の答えが少しずつ示され始め、ここにきてまた更に面白くなってきましたね。
コルとミューリの関係がなかなか進まないのは少しもどかしいですが、それこそがこの2人という気持ちもありますねw
中世を舞台にしたロードムービーファンタジー作品が好きな方におすすめの作品です。
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6作目:『貴族令嬢。俺にだけなつく4』
あらすじ
ルーナ、エレナとの甘々学園生活……そしてついにシアとデートへ
ルーナとエレナ。晩餐会で二人の貴族令嬢から告白を受けたことでベレトの学園生活に変化が訪れていた。令嬢たちと一緒に登校し、図書室で思いっきり甘えられ、教室でこっそりキスされ……さらに晩餐会で急接近した歌姫・アリアもまたベレトに会いに学園にやってくる。そんな令嬢たちとの甘い学園生活を経て専属侍女のシアともついにデートすることになり――。
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「お慕いしております……。本当に、本当に大好きです……」
デートのさなか膝枕され、抱きしめられ、その想いに触れたベレトはシアとも強く結ばれることになる。卒業式が近づく中令嬢たちとの関係はより深まり――甘々学園ラブコメ第4弾。
この作品は4人のヒロインズとのイチャイチャがとにかく読んでて癒されますね。
4巻では1番身近なヒロインである、専属侍女のシアとのデートが描かれます。
シアちゃん本当に可愛いんですよね。
ルーナ推しなんですけど、4巻読んでシアちゃん推しにも目覚めましたw
そろそろ学園編も終わりそうですし、これからの展開がとても楽しみです。
身分差が激しい世界で展開される、甘々なラブコメ作品を読みたい方におすすめの作品です。
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7作目:『ロクでなし魔術講師と禁忌教典 13』
あらすじ
秋休みが終了し、新学期を迎えるグレンの元に驚愕の話が舞い込む。逆賊アルベルト――女王陛下暗殺を企てたアルベルトが現在逃亡中らしく……その真意を問いただすため、グレンは帝国の討伐メンバーに参戦する!
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作中最も頼りになる男であり、かつてグレンの無二の相棒であったアルベルトと正面から対峙する展開は男心をくすぐりましたね。
アルベルトの基礎を極めた末に辿り着いた圧倒的な実力が示される前半パートと、そんなアルベルトにグレンが経験と勘でなんとか渡り合う後半パート。
最後まで互いに格落ちすることなく決着をつけたのは流石羊先生といった感じです。
最終巻まで一気に読みましたけど、やっぱり僕はグレンVSアルベルトが作中の戦いで1番好きだったので、今回は13巻を選出しました。
学園バトルファンタジーが好きな方におすすめの作品です。
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8作目:『サイレント・ウィッチ -another-』
あらすじ
モニカの同期で性格破綻者、〈結界の魔術師〉の原点を描く書き下ろし!
僅か一週間で教本に載る魔術を全て覚えた天才少年ルイスは、魔術師養成機関の特待生として迎え入れられることに。
だが、貧しい寒村で育ったルイスの性格は粗野で乱暴。貴族だらけの魔術学校では問題児扱いで、魔法戦で他の生徒を圧倒的実力差でぶちのめし、悪童として恐れられる始末。そんな中でも、尊敬すべき師や頼れる友人達と出会い――。
モニカと同期の七賢人ルイス、その青春時代の伝説的悪行の数々を描く、物騒すぎる『サイレント・ウィッチ』前日譚!【大人気『サイレント・ウィッチ』シリーズのスピンオフが大幅書き下ろしで登場!】
Amazonより引用
口調は丁寧。だけど思考は暴力的。
そんなルイスが学生だった頃のお話です。
正直ルイスを特別好きなわけではなかったのですが、この番外編を読んだお陰で今後本編でルイスが出てくるのが楽しみになりました。
ルイスさんあなたそんな人だったのね…!と思うようなエピソードが非常に多く、笑いながら最後までとても楽しませてもらいました。
特にラザフォード教授とのやりとり(喧嘩)は本当に賑やかで良かったですね。
ただルイスとリンの出会いはここで一気に深掘りされると思ってたんですけど、上下巻合わせて1ページも割かれてなくてビックリしましたw
ルイス・ミラーという1人のキャラだけでなく、その周りのキャラまで一気に好きにさせてくれた今回の番外編。
『サイレント・ウィッチ』本編が好きな方には是非とも読んでほしい作品です。
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9作目:『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 18』
あらすじ
これは少年が歩み、女神が記す、
Amazonより引用
──【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──
白妖精は誓う。女神に捧げる忠義を。
黒妖精は刻む。ただそれだけの想いを。
小人は哭く。四つの後悔を力に変え。
戦車は進む。女神以外全てを切り捨て。
そして、猛者(おうじゃ)は問う。
夢想でも詭弁でもなく『力』の証明を。
「この身を超えられぬ者に、『女神』を救う価値などなし」
誰も、何も間違っていない。
ただ女神を想い、己(エゴ)を貫いて、かつてない『大戦』を駆け抜ける。
だから、誰よりも傷付き果てる少年は――黄昏の空に、『偽善』を告げた。
「あの人を助けるって、約束したんだ」
これは少年が歩み、女神が記す、
──【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──
VSフレイヤファミリアですね。
やっぱ正ヒロインはリューさんです…。
いや〜熱くてカッコよくてたまらない1冊でした。
これを読む前に『ファミリア・クロニクル episode フレイヤ』を読んでいたので、フレイヤファミリアに対する好感度も高めなんですよね。
なのでもういろんなキャラに感情移入しちゃって、もちろん1番はベル君を応援してたんですけど、ヘグニとかガリバー兄弟とか好きなので感情ぐっちゃぐちゃでした。
オッタルの強さも存分に発揮されてましたし、文句なしの1冊だったと思います。
アニメでここを観るのが本当に楽しみです。
精神的にも肉体的にも弱かった主人公が様々な経験を経て、だんだん成長していくファンタジー作品が好きな方におすすめの作品です。
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10作目:『魔王と勇者の戦いの裏で 4』
あらすじ
転生したゲーム世界で死亡する未来を回避するため、前世の知識をフル活用するヴェルナー。マゼルの家族を魔物から守った後、なぜか伯爵家で面倒をみることに。さらにマゼルの妹・リリーもメイドとして働く事になったようで……?
Amazonより引用
一方、魔王軍襲撃後の内政処理をこなしているヴェルナーのもとに王都で不審な動きをした者がいるとの情報が入ってくる。いち早く状況を理解したヴェルナーは、敵の正体を突き止めるため大胆な作戦に打って出る!!
そして新たな職務の準備を進めるうち、不可解な点にヴェルナーは気が付き――?
伝説の裏側で奮闘するモブキャラによる本格戦記ファンタジー、第四幕。
1巻からずっと情報量がとにかく多い作品なので中々読み進められないタイプだと思うのですが、不思議とスラスラ読めちゃうんですよね。
魔王とは何か、この世界とは何か。なぜ自分は転生してきたのか。
4巻では世界の真実に近づき始めてきていろいろな謎も明かされそうなところで終わったので、続巻が非常に待ち遠しいです。
最初から丁寧に丁寧に土台を積み上げてここまできた作品だと思うので、ここから更に加速度的に面白さが増していきそうですね。
硬派寄りの作品ではあると思いますが、メイドのリリーとのラブコメ的展開にも期待していきたいです。
それはそれとして僕はヘルミーネ嬢のビジュアル・性格・口調の全てが好みなので、今後もヘルミーネ嬢を推していきますw
本格的な軍記ファンタジーが好きな方におすすめの作品です。
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以上が新作以外のライトノベル部門の10選でした!
最後に「一般文芸」部門を紹介していきます!
ほぼ全てが古めの超有名作品ですが、よければ最後まで見ていってください!
一般文芸部門
1作目:『十角館の殺人』
あらすじ
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
Amazonより引用
1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。
見事にしてやられましたし、多くの方がおすすめするのも納得な傑作でしたね。
「あの一文」はやっぱりゾクっとしました。
僕は綾辻先生の作品だと『Another』みたいなホラーミステリしか読んだことがなかったので、『十角館』を始めとする「館シリーズ」も読んでいきたいです。
ミステリ作品が好きな方にはおすすめの1冊です。
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2作目:『ゴールデンスランバー』
あらすじ
俺は犯人じゃない! 巨大な陰謀に追い詰められた男。スリル炸裂超弩級エンタテインメント。山本周五郎賞、本屋大賞ダブル受賞。
Amazonより引用
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない──。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。(解説・木村俊介)
巨大な組織に首相暗殺の濡れ衣を着せられ、逃亡生活を余儀なくされた主人公。
なぜ?どうして?の嵐の中、とにかく逃げ続けることしかできない状況に手に汗握りました。
主人公が過去に善行で積み上げてきた数々の人望と絆。
足掻いて足掻いて、それらが報われた末に僅かに見えた光が非常に美しい作品でした。
ハラハラドキドキする逃亡劇を読みたい方におすすめの1冊です。
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3作目:『ぼぎわんが、来る』
あらすじ
映画化決定!!!
映画「来る」 監督:中島哲也
出演:岡田准一 黒木華 小松菜奈/松たか子/妻夫木聡幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだ空前絶後のノンストップ・ホラー!!
最終選考委員のみならず、予備選考委員もふくむすべての選考員が賞賛した第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作。
Amazonより引用
徐々に学習を繰り返し、狡猾になっていく“ぼぎわん”が最恐でしたね。
怪談・民俗学・都市伝説・人怖など様々な要素を内包しており、全体的に見てホラーとしての完成度が抜群に高い1冊でした。
また、読む前はなんとなく敷居が高いイメージがあったのですが、そのイメージに反して文章はかなり読みやすかったのもすごく良かったですね。
同シリーズの『ずうのめ人形』や『ししりばの家』も好きだったのですが、今回は原点ともいえるこちらの作品を選びました。
霊怖ホラー小説を読みたいにおすすめの1冊です。
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4作目:『天使の囀り』
あらすじ
北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医。恋人の高梨は、病的な死恐怖症(タナトフォビア)だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンでいったい何が起きたのか? 高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか? 前人未踏の恐怖が、あなたを襲う。
Amazonより引用
不快感MAXのエグめの描写が多く、正直先を読みたくねぇという気持ちもあったのですが、それよりも真相を知りたいという気持ちが勝ちました。
でもやっぱ蜘蛛だけはやめて欲しかったです。蜘蛛だけは。
「天使の囀り」というタイトルもオシャレでいいですよね。
ラストシーンとの相乗効果も相まって、読み終えると更に好きなタイトルになりました。
上質なホラー小説を味わいたい方におすすめの1冊です。
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5作目:『黒い家』
あらすじ
顧客の家に呼ばれ、子供の首吊り死体の発見者になってしまった保険会社社員・若槻は、顧客の不審な態度から独自の調査を始める。それが悪夢の始まりだった。第4回日本ホラー小説大賞受賞。
Amazonより引用
僕は基本〇〇選を作るときは同作者で2作以上選出するのは避けるようにしているのですが、流石に『天使の囀り』と『黒い家』はどちらも切れませんでした。それくらいどちらも好きな作品です。
黒い家には一切霊などは登場しません。
出てくるのは人間のみです。
だからこそ怖いんですよ。
金のためだけにあんな残酷なことを人間ができるのか?という。
生命保険会社勤務の主人公が巻き込まれる、地獄のような現実を是非多くの方に体験していただきたいです。
文字だけでここまで怖いと思ったのは初めてでした。
人怖ホラー小説が読みたい方におすすめの1冊です。
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6作目:『農協月へ行く』
あらすじ
ご一行様の旅行代金は一人頭六千万円、月を目指して宇宙船ではどんちゃん騒ぎ、着いた月では異星人とコンタクトしてしまい、国際問題に……!? シニカルな笑いが炸裂する標題作ほか短篇七篇を収録。
Amazonより引用
短編集ですが、個人的に好きだったのは「農協月へ行く」「経理課長の放送」「自殺悲願」の3本。
エログロ満載なので絶望的に人を選びますし正直嫌いな人の方が多そうな感じもしますが、個人的には上の3本がとても好きだったので選出しました。
ラストの「村井長庵」は正直胸糞が悪すぎて、最後まで読み切った自分を褒めたいレベルですね…w
毒たっぷりの短編集ですが、好きな人はものすごく好きだと思います。
昭和のブラックユーモアを味わいたい方におすすめの1冊です。
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7作目:『声の網』
あらすじ
ある時代、電話がなんでもしてくれた。完璧な説明、セールス、払込に、秘密の相談、音楽に治療。ある日マンションの一階に電話が、「お知らせする。まもなく、そちらの店に強盗が入る……」。傑作連作短篇!
Amazonより引用
小学生の頃にどハマりしていた星新一。
社会人になって何か星作品を読みたいなーと思ったので、長編で有名なこちらを手に取りました。
一つ一つの短編が繋がるような形の長編ストーリーで、様々な人々に降りかかる様々な出来事を通して、一つの真実が徐々に浮かび上がってくる構成となっていたのが面白かったです。
40年くらい前の作品ですけど全然そんな感じがしないのは、やっぱり星新一の凄さですね。
AIが凄まじい速度で発展している今だからこそ、是非多くの方に読んでもらいたいです。
サクッと読めるSF作品が好きな方におすすめの1冊です。
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8作目:『夏と花火と私の死体』
あらすじ
九歳の夏休み、私は殺されてしまったのです……。少女の死体をめぐる兄妹の暗黒の冒険。斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、天才少年・乙一のデビュー作、ついに文庫化。(解説・小野不由美)
Amazonより引用
“死体が語り手”というのは斬新で、それと同時にとても切なかったですね。
登場人物はみんな何かしら怪しい影を背負っていて、作品全体に終始不穏な真夏のジトーッとした空気が漂っていたのが印象的でした。
大胆な設定から細かい情景描写まで丁寧に考えられて書かれており、これを当時16歳で書いたというのが信じられないです。
乙一先生の作品は今まで『きみにしか聞こえない』しか読んだことがなかったのですが、これを機にもっと別のホラー寄りの作品を探して読んでみたいと思いました。
手に汗握るホラー小説が読みたい方におすすめの1冊です。
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9作目:『夜は短し歩けよ乙女』
あらすじ
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!
Amazonより引用
日常のような非日常?それとも非日常のような日常?
不思議な毎日がポップでキュートな文体で表現されるため、今までに体感したことがないような新鮮な読書体験ができました。
個性的な登場人物たちに、ユニークな出来事の数々。
「読んでいて楽しい」がここまで感じられる作品も久々でしたね。
独特な文章で描かれる不思議な日常。
気になる方には是非読んでいただきたいおすすめの1冊です。
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10作目:『フェスタ』
あらすじ
北海道浦河町で競走馬の生産牧場を営む三上収、三上徹の親子。
Amazonより引用
パリ・ロンシャン競馬場で開催される世界最高峰のレース「凱旋門賞」の舞台で力を発揮できるのは、ステイゴールドの血統に違いない――と確信していた。
そう結論づけた収はその産駒であり、かつて凱旋門賞で二着となったナカヤマフェスタの種付けを続けていた。そうして収が自信を持って作り出した仔馬は、調教師・児玉健司の目に留まり、将来の可能性を信じた馬主の小森達之助に引き取られることに。
二歳となりカムナビと名付けられたかつての仔馬は、美浦の児玉厩舎に引き取られ、その気性の荒さから厩務員である小田島雅彦らに手を焼かせていた。
一進一退しながらも着々と結果を残していくカムナビ。
目指すは、日本競馬界の悲願である凱旋門賞制覇。
生産者、厩務員、調教師、馬主、ジョッキー……ホースマンたちの夢を一頭の競走馬に懸けた熱き物語。
そんなカムナビが「日本馬で凱旋門賞に勝つ」という多くの競馬関係者の悲願を背負い、フランスのロンシャンに挑む熱血競馬物語。
凱旋門賞に命を燃やす人馬の物語で、文書だけなのに熱くて熱くて面白すぎました。
「挑戦するだけで1億円がかかる」
という凱旋門賞にはもちろん情熱だけでは辿り着けない。
しかし、周りから笑われながらも凱旋門賞を勝つためだけに数十年を捧げた牧場主の収と、その最高傑作のカムナビの姿を見て、多くの人がその馬鹿げた夢にベットしていく様子には心を打たれました。
競馬を知っている人はもちろん、競馬をあまり知らない僕みたいな人でも十分熱くなれると思います。
熱血スポーツものが好きな方におすすめの1冊です。
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以上が一般文芸部門の10選でした!
長くなりましたが、最後までご覧くださり本当にありがとうございました!
今回紹介した30作はどれも本当に面白いです!
少しでも気になった作品があれば是非チェックしてみてください!