青春×学園ミステリの傑作 「僕らは『読み』を間違える」を紹介させていただきます。

ラノベ紹介
リュウ
リュウ

皆さんこんにちは、リュウです。
今回は角川スニーカー文庫様より「僕らは『読み』を間違える」について書かせていただきます。
タイトルが少し長いので今後は『読みえる』と表記します。

『読みえる』ってどんな作品?

『読みえる』は著「水鏡月 聖みかづき ひじり」、イラスト「ぽりごん。」で贈られる、青春×学園ミステリ作品です。
第27回スニーカー大賞では《銀賞》を受賞しました。

ちなみに歴代のスニーカー大賞では、第18回で『魔装学園H×H』、第22回で『パンツあたためますか?』などが《優秀賞》(おそらく今で言うところの《銀賞》)を受賞しました。
※以下書影をタップすればBookwalkerさんのページに飛ぶことができます。

著者の水鏡月先生はこの作品でデビューされた作家さんですね。

イラストを担当されたぽりごん。先生は他にも、富士見ファンタジア文庫様より発売されている『不登校の幼馴染が学校に行く条件は、毎日俺とキスすることだった』のイラストも担当されています。

メインキャラを4文でサクッと紹介

竹久 優真たけひさ ゆうま

本作の主人公で、高校1年生の少年。
文学を愛しており、高校では文芸部に所属している。
本作では所謂いわゆる「探偵役」で、名作の謎や日常の謎の解決に挑む。
物事を斜めから見るような少し捻くれた性格をしているが、優しいところもあるし人に恋もする、ごく普通の男の子。

宗像 瀬奈むなかた せな

本作のメインヒロインで、高校1年生の少女。
まるで太陽のような明るい笑顔が特徴的で、普段本は読まないが放課後はよく文芸部に足を運んでいる。
本作では所謂「第一発見者」の役割を果たしており、様々な日常の謎を拾い集めてくる。
人懐っこく社交的な性格で、優真とは正反対の真っ直ぐな女の子。

あらすじ

消しゴムに書かれていた『あなたのことが好きです』。
この一文で僕・竹久優真は憧れの文学少女・若宮雅わかみやみやびとの両想いを確信し、しかしその恋は玉砕に終わった。
では、いったい誰がこの文を書いたのだろう?
この‟謎”を抱えたまま僕は高校に入学し、そしてそこで出会った少女・宗像瀬奈により‟謎”は再び動き出す。
7人の少年少女による‟推理”と‟勘違い”。
最も美しい「青春」の物語をあなたに――。

感想

事前に試し読みをし、面白そうだと感じたので読むことにしました。
結果すっごく面白かったので大満足です! 
まずはストーリーの感想から。
本作は青春×学園ミステリ作品なのですが、青春ストーリーとして読んでも、そして学園ミステリとして読んでも楽しめる素晴らしい1冊に仕上がってましたね。

1、2話目では「『走れメロス』においてメロスを足止めした山賊は誰に雇われた者なのか?」「太宰治の死は本当に自殺だったのか?」「『藪の中』の真犯人は誰?」などの考察がなされており、ワクワクしながらとても楽しく読むことができました。
特に「『走れメロス』において~」は『氷菓』で有名な米澤穂信先生の《古典部》シリーズの6冊目『いまさら翼といわれても』で主人公・折木奉太郎が同じテーマで考察しているので、2つを比べながら読めばより一層楽しめるんじゃないかなとも思いました。
あとは《古典部》シリーズがミステリに重きを置いているのに対し、『読みえる』は青春ストーリーを引き立たせるためのスパイスとしてミステリを用いているように感じましたね。
なので『読みえる』の編集であるKさんの「目指せ令和の氷菓!」というツイートに「うんうん」と思いつつ、でも根本的には差別化がなされているので二番煎じのようになっていなかったのがすごく良かったです。
3話以降は少しテイストが変わりますがそれでも面白さは変わらず、各キャラのほろ苦い青春劇が『春琴抄』『グレートギャッツビー』『ティファニーで朝食を』といった名作にリンクしていく様子が本当に見事でしたね。
悔やむべきは僕がそれらを未読だということです……。
きっと読んでいればより一層楽しむことができたのでしょうね。
(そういえば『‟文学少女”』シリーズを読んだ時もこんな気持ちになったような気が……。)
あとは「僕らは『読み』を間違える」というタイトルも最初はなんのこっちゃですが読了後はこれ以上ない完璧なタイトルに感じましたし、まさに「傑作」と言って差し支えない作品だと感じました。
是非とも多くの方に読んでみてほしいです!

次にキャラの感想。
本作はメインキャラが7人登場するのですが、その誰もが「主人公orメインヒロイン」という立ち位置に置かれていて、全員にしっかりとスポットライトが当たっていたのがすごく印象的でした。
また、終盤になるにつれて「そのキャラとそのキャラがそう繋がるの⁉」といった展開もあり、驚きながら楽しく読み進めることができました。
僕は「キャラ紹介」のところで竹久優真くんと宗像瀬奈さんの2人しか紹介しませんでしたが、他の5人も等身大の高校生といった感じで非常に共感できる人物ばかりなので、是非読んで確かめてみてほしいです。

最後に読みやすさ。
過去と現在、そして登場人物の目線がかなりの頻度で入れ替わるので正直読みやすいかと言われれば「うーん……」といった感じなのですが、文章自体はデビュー作とは思えないほどに綺麗で美しかったです。
2巻も読ませていただきます!

総合評価

スト―リー
★★★★★★★★
8/10
キャラ
★★★★★★★★★
8/10
読みやすさ
★★★★★★
6/10

こんな人におすすめ!

中高生のほろ苦い青春ストーリーが好きな人
学園ミステリが好きな人
米澤穂信先生の《古典部》シリーズが好きな人

リュウ
リュウ

今回は角川スニーカー文庫様より「僕らは『読み』を間違える」について書かせていただきました!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
この作品が気になった方は下のリンクからお買い求めいただけると幸いです。

僕らは『読み』を間違える
すれ違う恋と、掛け違う推理。第27回スニーカー大賞《銀賞》受賞作! 学生という生き物は、日々「わからないこと」の答えを探している。 明日のテストの解答、クラス内の評判、好きなあの子が好きな人。 かく言う僕・竹久優真も、とある問いに直面していた。 …

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