少年の泥臭い戦いを描いた物語 『優しい嘘と、かりそめの君』を紹介させていただきます。

ラノベ紹介
リュウ
リュウ

皆さんこんにちは、リュウです。
今回は電撃文庫様より『優しい嘘と、かりそめの君』について書かせていただきます。

『優しい嘘と、かりそめの君』ってどんな作品?

『優しい嘘と、かりそめの君』は著「浅白 深也」、イラスト「あろあ」で贈られる、青春ストーリーです。

著者の浅白先生は他にも、電撃の新文芸様より『魔女と少女の愛した世界』や、電撃文庫様より『アンフィニシュトの書』などの作品も出されています。
※書影をタップすればBookwalkerさんのページに飛ぶことができます。

イラストレーターのあろあ先生はラノベのイラストを担当されるのはこれが初めてですかね……?(もし違っていたらごめんなさい)
とても素敵なイラストで作品の雰囲気にも非常にマッチしていたので、今後もどんどん他のラノベのイラストを担当していってほしいです……!

用語解説

少女の祈り像

主人公の通う高校にある‟裏七不思議”の1つ。
この像の前で祈りを捧げるとその願いが叶うらしい……。

メインキャラを4文でサクッと紹介

藤城 遠也ふじしろ とおや

本作の主人公で、高校1年生の少年。
高校入学直後、ナンパされてる女の子を助けようとした結果ナンパした側のキノコ頭(先生に好かれている)に恨まれ、停学処分を受けるはめになってしまった。
停学中に上記の件が尾ひれを付けて学校中に蔓延してしまい、復学後には「不良生徒」の烙印を押され、同年代はもちろん上級生、ましてや先生からも距離を置かれることに。
実際は思いやりのある人物で、困っている人を見かけたら後先考えずに助けに行ってしまうような性格。

夕凪 茜ゆうなぎ あかね

本作のメインヒロインで、高校3年生の少女。
どんな相談事もスパッと解決することから「百相百解の清乙女」と呼ばれており、校内でも高い人気を博している。
ただ本人はそんな現状に不安と罪悪感を抱いており、ある日〈少女の祈り像〉に「もっとみんなの期待に応えたい。噂通りの私になりたい。」と願った。
穏やかで優しく、悪い噂しかない遠也を前にしても怯えなかった立派な少女。

虚像

夕凪茜が〈少女の祈り像〉に願いごとをした結果誕生した‟第2の夕凪茜”。
この虚像が誕生したことで、本物の夕凪茜は主人公以外の生徒・教師から存在を認識されなくなってしまった。
本物と違い、どんだけ無理な相談事でも‟絶対”に解決する。
ベースはあくまでも夕凪茜なので性格は良いし、自らが偽物だということも認識していない。

あらすじ

嫌われ者の俺と他人からは見えない先輩、ふたりだけの「戦い」を始めよう。

「ひとりぼっちな君と私、お互い救われることってあるかな?」

高校1年の藤城遠也は入学直後に、揉めごとを起こし停学処分を受けてしまう。停学明けの学校では、極悪不良という噂がたっており、クラスメイトも誰も目すら合わせてくれない。
ひとりぼっちの高校生活をすごす中、旧校舎で美人の先輩・夕凪茜と出会う。
茜と交流を深めるうちに、茜に深刻な悩みを抱えていることを知る。ある日、虚像の自分が現れた日を境に、本当の茜は誰からも認識されなくなったというのだ。唯一自分を信じてくれた先輩を助けたい! 遠也は茜を救うべく、ひとり奔走していくが――?
共に居場所を失った二人が、「あるべき場所」を取り戻す青春ストーリー。

Amazonより引用

感想

表紙の美しさに惹かれて買いました!
ただ話の内容が自分には合わなかったため、以下酷評します。
作者様はもちろん、この作品を好きな方も見ないことを強く強く推奨します。

 

まずはストーリーの感想から。
周りからの好感度最低な主人公が、周りから認識されないヒロインを救うべく奮闘するお話ですね。
こういうSFチックな設定自体はかなり好みなので4章までは楽しく読めたのですが、4章からが本当に肌に合わなかったです……。
もうとにかく主人公の行動が全部空回りしてて、結果だけ見ればやらかしと失敗の連続なんですよね……。
ラノベにおいて周りからの好感度がマイナスからスタートする主人公というのは結構王道で、そこから善行を積み上げて好感度をゼロに、そして終盤にはプラスにしていくのがセオリーだと思っているのですが、この作品では主人公の周りからの好感度が上がらないんですよね。
むしろ終盤になるにつれてどんどん下がり続ける始末です。
「ヒロインのために」という一心で行動を起こし続ける主人公と、それに反して全く伴わない結果。
主人公は頑張り続けてるのに、周りからの風当たりがどんどん強くなっていく様子は読んでいて本当にキツかったです。
「でも最後はスッキリするんでしょ?」と内心期待しながら読み進めていたのですが、別段そんなこともなく……。
〈少女の祈り像〉って結局何だったの?」「主人公を停学に追い込んだキノコ頭なんの裁きも受けてなくね?」「友人ポジの男とサブヒロインいる意味あった?」と、とにかくモヤモヤが残る読了感になってしまいました。
ハッピーエンドではあったもののそこに至るまでの過程がやや強引すぎるようにも感じましたし、(まあこれは虚像の存在と能力が強すぎるのでしゃあなしですけど……)設定が好きだっただけに非常に残念でした。

次にキャラの感想。
先ほどもチラッと触れたのですが友人ポジの男とサブヒロインに対する扱いがちょっと……。
友人ポジの男は情報通な面もあるのですが、主人公に対して「お前と繋がりがあることがバレたらオレの沽券に関わるだろうが」と死ぬほど辛辣ですし、そんな友人に対して主人公は「情報くれなきゃ俺とお前が仲良いこと周囲にバラすぞ(意訳)」って脅しますし、なんかもう「お前ら本当に友人なの?」って思いました。
まあここら辺は「そういうやり取りができるのが友人だろ」って意見もあると思いますが、家が近所で小さい頃からの幼馴染兼友人なんだったら、主人公に対する根も葉もない噂なんて信じず、周りに対して「こいつはそんな奴じゃねぇよ!」くらい言ってほしかったです。
最後になんかちょっといい奴っぽく描かれますが、それまでの保身的な行動で既に好感度が下がりきっていたので結局好きになれませんでした。
で、本当に重要な問題はサブヒロインに対する扱いですよ!
深森奏ふかもりかなでちゃんという女の子が3章で主人公の高校での初の友達になってくれるのですが、なんと4章(21ページ)で主人公に愛想を尽かしてそこからあとは一切登場しなくなります。(ちなみにコレは主人公が100悪いです)
いや流石にカラーの口絵を貰ってるキャラに対してこの扱いはないです。
ボクっ娘ゲーマーという属性、気だるそうな喋り方、嫌われてる主人公に対しても平等に接する優しい性格と、とにかく人気が出そうなキャラなのにまさか友達としての出演が20ページだけとは……。
「超可愛いキャラきた!」と喜んだ僕の感情を返してください。
この娘に関しては本当に最後まで良い娘でしたし、あろあ先生のキャラデザも最高に良かったので尚更ショックでした。
あとこの出来事のせいで主人公に対する好感度も下がりまくりました。
メインヒロインはすっごく良い娘だったので、そこは良かったです。

最後に読みやすさ。
スト―リーとキャラで散々文句言いましたが、文章はとても読みやすかったです。
ザっと他の方の感想見た感じこの作品は結構好評で、「面白くなかった」ではなく「自分には合わなかった」作品なので、気になった方は是非読んでみてください。

総合評価

スト―リー
★★★★
4/10
キャラ
★★★
3/10
読みやすさ
★★★★★★★
7/10

リュウ
リュウ

今回は電撃文庫様より『優しい嘘と、かりそめの君』について書かせていただきました!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
この作品が気になった方は下のリンクからお買い求めいただけると幸いです。

優しい嘘と、かりそめの君
嫌われ者の俺と他人からは見えない先輩、ふたりだけの「戦い」を始めよう。 「ひとりぼっちな君と私、お互い救われることってあるかな?」  高校1年の藤城遠也は入学直後に、揉めごとを起こし停学処分を受けてしまう。停学明けの学校では、極悪不良という噂が…

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