雑談 文学フリマ東京37で買った作品の感想を書くよ

雑談

はじめに

リュウ
リュウ

皆さんお久しぶりです。
約1か月半ぶりにブログ記事を書くリュウです。
久々なのでリハビリがてら、先日行われた文学フリマ東京37で買った5冊の作品についてのんびり書いていきたいと思います。
ではでは早速感想の方へレッツゴー!

『ideology』

リュウ
リュウ

こちらは「アイドル」をテーマにした短編小説アンソロジーですね。
制作は「月をみつめる退屈な猫
主宰は夏鎖さんとHinamonzyaさんのお2人です。
アンソロジーですので、まずは1本ずつ個別に感想を書きたいと思います。

『負けヒロインでも推してくれますか?』著:軽野鈴

突如として17歳の少年少女全員に前世の記憶が戻った日本で、「前世が負けヒロインである少女」だけを集めたアイドルグループ【ペチュニアブーケ】に所属する主人公・美紅を描いたお話。
多分皆さんが最初に思う「アイドルもの」に1番近しいのがこのお話だと思います。
自分に自信がなくて、それでも憧れは捨てられなくて。
今度こそは選ばれたい、誰かにとっての特別になりたいと、一度は負けた少女たちが勇気を振り絞ってステージ上へと一歩を踏み出す瞬間は本当に美しかったです。
花言葉を利用したラストも綺麗で、アンソロジーの1番手に相応しい明るくて良いお話だと思いました。

『賞味期限間近、』著:羽海野渉

 キラキラしたアイドルに憧れて田舎から上京した少女・由依が、夢破れてアイドルを引退するまでのお話。
これは僕にとって劇薬のような小説でしたね……。
『負けヒロインでも推してくれますか?』とは全く正反対の雰囲気の小説で、悉く最悪な現実を突きつけてきたので心に大ダメージを負いました。
アイドル業界の闇の部分を嫌というほどしっかり描写しているので、好きな人はめちゃくちゃ好きなお話だと思います。
いや~エグかった……。

『探偵ちゃんとギャル。そしてアイドル』著:青井哲也

探偵を名乗る少女・ヒビキが読者モデルをしているクラスメイトのギャル・ミヤコに「この教室にいるかもしれないアイドルを探してほしい」と依頼され、その正体を推理するお話。
ジャンルとしてはいわゆる日常の謎というやつですね。
個人的に最後の一文が本当に大好きすぎて、「アイドル」という概念に対する完璧で究極のアンサーを出してくれたと感じました。
短編ながらも満足感が味わえる完成度の高いミステリでした。

『美術館に飾られているアイドルの話』著:空伏空人

世界中の物を一つずつ集める酔狂な蒐集家・コレットに「アイドル」の代表として蒐集された女性・藍取と「僕」のお話。
かなりSFチックな世界で展開される小説で、スケールが大きくて面白かったですね。
会話オンリーで最後まで進む構成は、このアンソロジーでは唯一だったので新鮮でした。
顔が良ければそれはモデル。歌がうまければそれは歌手。踊りが得意ならばそれはダンサー。と続け、最後に「アイドルとは何でもない余り物の残骸でありながらも、光るもの。」で締めた一文は空伏さんの思うアイドル観が感じられてすごく好きでした。

『私信』著:夏鎖・Hinamonzya

両親を亡くしたことをきっかけに、地下メンズアイドル「ZEATH」に依存するようになってしまった女子高生・綾乃が主人公のお話。
漂う雰囲気は『賞味期限間近、』並みに暗めでしたね……。
タイトルである『私信』という言葉の意味を調べてから読むか、調べずに読むか悩みましたけど、後者を選んで良かったです。
読み終えて「おぅ……。」となった後に『私信』という言葉の意味を知り、更にもう一段階ゾワッときました。
そしてラスト一文であの文学作品をモチーフにしているのを読者に伝えてきたのがめちゃくちゃ上手えって思いました。

『S(hrinp)ing!』著:緒賀けゐす

通算3度目のアイドル引退宣言をかました主人公・遠山牡丹が、自身の所属するアイドルグループに片っ端からツッコミを入れていくお話。
ド直球なコメディ作品でめちゃめちゃ笑いました。
もちろんキャラ同士の掛け合いも面白いんですけど、何より遠山牡丹とおやまぼたんという主人公の名前がトヤマエビ(別名:ボタンエビ)から取られていることに気づいた時が一番笑いました。
『私信』がだいぶ暗めだったこともあり、明るさ全開の『S(hrinp)ing!』は心に染み渡りましたね……。
とにかく全てが平和なので、ボス戦前のセーブポイントくらい安心して読めるお話でした。

『おばけのアイドルは傘を差す』著:零真似

雨が降っている日の午前3時45分、バス停で傘を差すと現れるこの世のモノではない「アイドル」と、「僕」のお話。
少し切なくて心がほんのり温かくなる青春小説ですね。
物語の構成が天才すぎて、読んでる最中に「う~わ!やられた!」ってなりました。
「雨」「傘」「バス停」という要素から僕はあのジブリ映画を思い出して、すごくノスタルジックな気持ちにさせられちゃいましたよ。
物語自体も綺麗に纏まっていますし、読後感は美しく晴れ渡っているので、トリを飾るのにピッタリなお話だと思いました。

まとめ

リュウ
リュウ

ということで、以上『ideology』の個別感想でした。
全員が「アイドル」をテーマにしているにもかかわらず、それぞれ書いてきたものは全く違う雰囲気、全く違うジャンルの作品だったのが本当に面白かったですね。
7人7色の良さが出ていて、これぞアンソロジー!と言える1冊になっていたと思います。
チェキ風の表紙もお洒落で、またこのメンバーでのアンソロジーが読みたいなと感じました。

『ある聖女の駆け込み訴え』著:さちはら一紗

有名なグリム童話『白雪姫』の物語を、超巨大感情百合ファンタジーとして昇華させた作品ですね。
初読み作家さんでしたけどとても面白かったです。
読み終えてから「僕の知ってる白雪姫じゃねぇ!」ってなったので色々調べてみたんですけど、『白雪姫』の原作初版ってかなりダークな復讐譚なんですね。
「王子様と白雪姫は結ばれました。めでたしめでたし。」的な感じで終わるお話しか知らなかったので、衝撃でした。
そんなダークな原作初版を土台として、オリジナルの解釈を交えながら短編の百合小説として綺麗に纏めていたのがすごかったです。
またこの人の作品を読みたいなと思いました。

『学校一美少女なあの子が、俺の推しの底辺Vtuberだった』著:藤崎 珠里

タイトル通り!
学校一の美少女であり、底辺Vtuberガランス・シエルの中の人である少女・茜と、彼女を推し続けている少年・森田のラブコメ作品ですね。
糖度マシマシのストーリーで、控えめに言って最高すぎました。
配信者であるヒロインと、視聴者である主人公。
全く正反対の立場にいる2人ですけど、お互いが知らず知らずのうちに相手にとっての大切な支えになっていることがわかる場面が僕はすごく好きでした。
そして何より自分の「好き」を伝えるために感情を爆発させる茜さんが可愛すぎましたね笑
照れすぎると口数が少なくなっちゃうところも最高でした。
最初から最後まで優しい雰囲気に包まれていて、読んでいてとても癒されました。
もっともっと2人の幸せな日常を見ていたかったです。

『世界の終わりに、キミとボク』

リュウ
リュウ

こちらは「世界の終わり」をテーマにした短編小説アンソロジーですね。
発行は「零真似文庫+
アンソロジーですので、『ideology』同様まずは1本ずつ個別に感想を書いていきます。

『世界の終わりの向こう側』著:零真似

世界に終わってほしい」少年・僕と「世界を終わらせたことがある」少女・群道のお話。
全体で8ページというかなり短めの小説でしたけど、その分読み手によっていろんな解釈ができそうなストーリーと世界観がギュッと詰め込まれていたのが良かったです。
体育の授業中という学生にとってはあまりにも「日常的」な場面の中で、世界の終わりという「非日常」を入れてきたのが個人的にすごく好きでしたね。
上手く言葉にできないですけど、なんとなく心がふわふわするような、そんな不思議な読後感を得られて面白かったです。

『閉じる世界、終わる世界、そして――』著:旭 倫太郎

病弱でベッドの外から一歩も出られない少女が、幼馴染の少年から差し入れられた不思議な本をキッカケに、様々な世界の物語に飛び込んでいくお話。
あとがきでも書かれていますけど、「世界の終わり」というバッドエンドを想起させるテーマにもかかわらず、ハッピーエンドに近しいような締め方をされていたのがすごく好きでしたね。
世界の終わり」という概念に対する考えがキャラによって違っていて、少女にとっての「世界」とは少年のことで、少年にとっての「世界」とは少女のことだった、という部分に共依存&巨大感情を感じられて良かったです。
メタギミックが盛り込まれている小説は個人的にとても好きなので、長編を書かれる際にはもっといろんなギミックに挑戦してほしいと思いました。

『pierrot』著:零真似

「カタストロフィー」という突如現れるようになった化け物から世界を守るため、己の命と引き換えに強大な力を振るうことが許された存在「世界の希望」。
そんな「世界の希望」の【3200】番として選ばれてしまった少女・冬美と、「世界の希望」の死体処理を行う「掃除屋」の少年・ユウのお話。
「世界の終わり」から想像されるハードな世界観をド直球に書いた作品ですね。
兵器として利用される子供たち」「命と引き換えに得られる強大な力」「兵器として消費される子供の死を気にも留めない大人たち」あたりの設定には慣れてるつもりだったんですけど、読んでみるとやっぱりしんどいです……。
決められた死」を前にささやかな幸せを叶えようとする冬美の姿、「pierrot」というタイトルに胸が締め付けられました。

まとめ

リュウ
リュウ

世界の終わり」というテーマにいろんな角度からアプローチを仕掛けていて、良いアンソロジーだと思いました。
最後にあるクロスレビューも、それぞれの「個性」と「小説に何を求めるのか」という部分が出ていて面白かったですね。
イラストに関しては、群道ちゃんのキャラデザがとても可愛くて好きでした。

『企画書:異想都市』著:ロケット商会

こちらはまるで設定資料集のような1冊ですね。
ロケット商会さんの考えた5つの個性的な都市の構造や歴史、そこに存在する組織などが書かれています。
なんとなくSCPっぽさがあって読んでてめちゃめちゃ楽しかったですね。
(SCPを知らない人はググってください)
住民の7割が盗賊であり、街の全てが盗品で構成されているという「怪盗都市」ダリットヒースの説明が個人的に1番好きでした。
ロケット商会さんの「理想の都市計画」に対する情熱が詰まった1冊で、終始とても楽しく読ませていただきました。
またこういった作品を出されるならば、読みたいと思います。
希望を言うならば次は『勇者刑』のあとがきで登場するケヒャリスト集がいいですね笑

おわりに

リュウ
リュウ

ということで今回は文学フリマ東京37で購入した作品の感想を書かせていただきました~!
短編小説の感想をネタバレなしで書くのめちゃくちゃ難しいですね……。
感想もっと上手く書けるようになりたいです。(泣)
まあ何はともあれ!
ここまで読んでくださった皆さん!
最後までご覧くださりありがとうございました!
(次の更新は11月後半を予定しています。)

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